そばにいさせて【怪盗キッド】

お宝攻防戦 13 ページ42

展示室前にいる蘭と園子に合流する。




園子は携帯を取りだし、時間を確認した。



「キッド様の予告時間まであと4分。そろそろ中に入っとく？」



展示室を見ると先程よりも人が多くいることが伺える。




すると中森警部と次郎吉さん、怪しい例の2人が展示室に向かってきた。




「警察です。道をあけてください」



中森警部を先頭に進んでいく。



「ほら、私達も入ろう」


園子のひと言で蘭も歩き出す。




私は……濡れたくないので入らないでおこうと考えた。

「人混んでてちょっと入りずらいから、私ここで待ってるね」



「わかった」


すると人混みの中からコナン君が顔を出し、少し大きな声で話す。




「やめた方がいいと思うよ」



「コナン君？」


「どうして入んない方がいいのよ」



園子が腕を腰に当て、少し屈む。



「だって……濡れるのいやでしょ？」



「「え？」」




2人の頭に？が浮かぶ。




(流石キッドキラー。もう気づいたのね)




「キッドは本当にここで、洗濯するみたいだからさ」




笑顔で答えるコナン君に私もニッコリと笑う。





トリックに気づいても止めようとしないという事は……今回は協力してくれるみたいだ。




ﾋｭﾝｯ!!!!




その瞬間、シルクハットが宙を舞っていく。





(きた……！！)



シルクハットは綺麗に回転し、ガンベルトの展示品の上に落ちていった。



そしてそこから怪盗キッドがゆっくりと立ち上がり、姿を見せる。




「か、怪盗キッド！！！」



中森警部の一言を合図に歓喜の声が沸き起こる。



「「「きゃーーー！！」」」


みんな携帯をかかげ、手を挙げる。


「キッド様素敵〜！」



園子のテンションが上がる。




「……かっこいい」


小さく呟いたこの言葉をコナン君は聞こえてたようで、じっと私を見つめていた。

お宝攻防戦 14→←お宝攻防戦 12

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す