そばにいさせて【怪盗キッド】

お宝攻防戦 4 ページ33

「では、館内の警備よろしく頼みますよ。鈴木相談役」


樽見と華村はそのまま展示室から出ていく。





次郎吉さんは小さなため息をついた。



「胡散臭い連中じゃ」




私は同感の意を込めて頭を縦に振る。


コナン君は次郎吉さんに問いかける。



「ねぇ、もしかしてここの展示物にすごい保険金をかけてたりするんじゃないの？」



「わしもそう思って調べたのじゃが、雀の涙ほどしかかけておらんかったわい。入場料も安いし、あれじゃ盗られたら大損のはずなんじゃが……」





真相を知っている私からしたら納得のいく保険金である。




すると園子が1歩前に出て話す。


「それでおじ様！なんか用意してるんでしょ？キッド対策」



キッド対策はぜひ知りたい。



「私も見たい！」

園子に便乗してみる。



だが次郎吉さんは困った顔をした。


「それがのぉ……」



そう呟き、次郎吉さんは展示室のはじっこを見る。




そこには『 怪盗キッド お宝返却予想地 』と書かれた四角い小さなスペースがあった。




「返しに来るには止めようがなくてのぉ。あのスペースを作るので精一杯じゃったわい」




コナン君の顔がひきつっているのがわかる。

私はコナン君の目線に合わせかがむ。


「あそこに返してきたら勇者でしょ」



「だよな」



続けて次郎吉さんは話す。


「せめて、やってくる日時が分かれば手の内ようがあるんじゃがのぉ」



「え！？予告状にいつくるか書いてなかったの！？」




これも理由があるが、口が滑らないよう黙り込む。




「あーそうだ」





すると突然、次郎吉さんの後ろから声が聞こえた。

そこには刑事を連れて歩く中森警部の姿があった。

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