そばにいさせて【怪盗キッド】

暗闇を駆け抜けて 1 ページ21

キーンコーンカーンコーン

学校のチャイムが鳴り響く。



「起立！礼！」



「「「ありがとうございました」」」




帰りのHRが終わり、それぞれ帰宅しようとする。

私は鞄を手に取り、1人の人物を待つ。




「A！帰ろうぜ！」



「ほいほい」




快斗が私の席まで来た。




「今日も熱々ねー！」



クラスメイトの恵子ちゃんがいじる。

いつもの流れである。




「Aちゃん！今日青子と一緒にカフェ行かない？」


後ろから青子ちゃんが話しかける。

すると快斗が遮る形で前に立った。



「だめだめ。今日は俺とデートなの」




まぁ、本当はデートではないが、次に盗む建物が複雑な構造をしているため、私の逃走練習があるのだ。





「なによー！いつも独占しちゃって！青子もAちゃんとデートしたい！」



ほっぺを膨らませ怒る。

この姿が可愛すぎて、私は快斗の横を通り青子ちゃんに抱きつく。




「可愛い……ﾊｧﾊｧ、可愛いよぉ〜！！！」



そのままほっぺをくっつけスリスリする。


すると快斗は私の襟をつかみ



「やめんか」



と言って引き剥がす。

まだ青子ちゃんの頬は膨らんだままだ。


私は優しい声色で話す。



「青子ちゃん！明日デートしよ！」



すると膨らんでた頬は元に戻り、笑顔が輝く。




「やった！約束ね！」



可愛い。あかん、可愛すぎて今すぐデートしたい。




「あーー！俺のAちゃん取るなよ！」



「残念！明日は青子のAちゃんでーす！」



二人の間に火花が飛び散る。



イケメンと美少女の取り合い……天国かな？





なんて考えていると近くにいた紅子ちゃんが呆れた目で見つめたあと、こう言った。




「貴方たち忘れてないかしら。明日はテストよ」

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