隠の桐島さん 第二幕【鬼滅の刃】

それが限りなく零に近い可能性だとしても ページ24

ドサリと地面に倒れ込む


ドクドクと肩口から血が流れるのを見て
やっと私は自分が斬られたのだと理解した



凍らされた右腕の痛みがあまりにも大きかったから
斬られたのに気付かなかった？




いや…違うな



彼奴の扇から出る斬撃が
桁外れに強いんだ


斬れ味が良すぎるせいで
斬られたことに気づかなかったんだッ





次元が違う
他の雑魚鬼とは比較にならないくらい


これならまだ炭治郎達が戦った上弦の参の方が
まだ可愛く見える




「綺麗にパックリ切れたねー
女の子だからなるべく楽に死ねるようにしてあげるから安心してね」





『…ほんと腹立つ』





余裕綽綽ですかそうですか



そりゃ剣士でもない私は
上弦に比べればアリンコみたいなモンですよ


でも、





アリンコはアリンコなりに
知恵振り絞って生きてるんですよ






『チビだからって舐めないでよね！』




キッと睨みつけながら大声でそう叫び


私は強く地面を蹴った…


凍らされた木を避けるように
木から木へ飛び移るのを何度も何度も繰り返した


後藤さんが走っていった方とは真反対の方角に…






少しでも時間を稼ぐために



後藤さんが逃げ切れるように…





それが…今の私が為せる最善の策だって信じてるから





それが限りなく零に近い可能性だとしても






私は最後までその可能性に賭けてみせる…






だから







頼みますよ、






"先輩"…

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