隠の桐島さん 第二幕【鬼滅の刃】

あの日の誓いを胸に ページ19

鬼殺隊は文字通り鬼を狩る組織


育手の元で過酷な鍛錬を受けた剣士達が命がけで鬼を狩る



そして政府非公認の組織とはいえ
命がけの仕事に見合ったお給料が貰える


我ながら不純な動機だとは思ったが
これなら他の仕事に比べ何倍も効率よく稼げる

その前に死ななければの話だが



しかし、私の決意はその時点でもう決まっていた






だが当然その話を切り出した際には
猛反発を食らった




「大事な娘をそんな危険な場所へは送れません」




「考え直すんだ...」




普段笑顔いっぱいの両親達も
この時ばかりは真剣な面持ちでそう言った


それでも



それでもやっぱり私は諦めようとは思わなかった




何ヶ月もそんなやりとりが続き私が折れることはないと悟ったのか
結局は両親が折れる形で私は育手のおじさんの元へ旅立つことになった




「定期的に文を送るんだぞ！それから風邪には気をつけてしっかり早寝早起きを...」




「もう！過保護はそれくらいにしなさい
Aこっちにいらっしゃい」




育手のおじさんの所へ旅立つ直前
お母さんが私を呼び止めた


何だろうと不思議に思いながらも
言われた通り母のもとへ行くと


突然ぎゅっと強く抱きしめられた





『お母さん...』



「いつの間にかこんなに大きくなったのね...
寂しくなるけどやると決めたのなら最後まで突き通しなさい」




“母はいつまでも貴方の側にいます“




じんわりと母の体温が伝わってくる


父さんの方をみると同じようにいつもの柔らかい笑みを浮かべていた




そんな表情を見て
あの日の決心が揺らぎそうになるが


そんな笑顔を守る為にも
私は改めて鬼殺隊になることを決心した




大好きな父と母の元を離れても
叶えたいと思う【夢】があったから...



私はこんな理不尽に塗れた世界でも生きていこうと思えたんだ

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