隠の桐島さん 第二幕【鬼滅の刃】

布団が恋しい ページ11

「よし、今日はこの辺で休むか」




『全く、年頃の女子に野宿を強いるとか
先輩ってば本当に鬼畜ですねー』



「馬鹿言え、なにも今日にかぎった話じゃねぇだろ」




本当そうなんだよなぁ〜
隠は女子だろうが男子だろうが普通に野宿するからなぁ


なんで隠は藤の家紋の家使えないんだろう...


一生の謎だわ






逢魔が時...
日の光がすっかり影を潜めた森の中で

私達は野宿の準備を着々と進めていた



もしも一般人ならば夜の森で野宿など
鬼に喰ってくださいと首を差し出しているようなものだが

我々隠の場合は少し勝手が違ってくる



任務先が必ずしも一日と掛からない近場とは限らない



二日...最悪三日掛かる場合もある


まぁそんな時は
こんな風に森や山でめでたく野宿する羽目になるのだが...





「藤の花の香をしっかり焚いたか？」




『勿論...さぁ、お香も焚いたし夕餉にしましょう』




こうやって鬼が嫌う藤の花のお香を焚いて
鬼除けをするのがお決まりとなっている


だが...





『うわ...今日は随分と向かい風が強いですね』




「明日の任務に差し支え無ければいいけどな」




『縁起でもないッ...そんな恐ろしいこと言わないで下さい』




これ以上遅れを取れば
現場の隠達にドヤされること間違いなし


冗談でも勘弁してほしい




美味しいものでも食べて気を紛らわそうと思った私は

蝶屋敷のなほちゃん・きよちゃん・すみちゃんがつくってくれた
差し入れの握り飯を口一杯に頬張った

塩加減が絶妙で何個でも食べれそうなくらい
美味しかった


帰ったらお礼に甘味でも持って行こうかな...









そんなことを考えていた時だ





正面にある茂みが小さく揺れたのは...

今度こそ絶対に許さん→←小さな幸せ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す