お茶 ページ9
だいぶ前から我に戻り、色々な表情をコロコロと入れ替える彼を見ていたが、やはり分かるのは彼は私に向けて敵対しているとしか思えなかった。
しかし人間でもここまで表情が変わるのは珍しく見てて楽しいがこのままこうしていても埒が明かない。
お茶とおやつにとっておいたカステラでも差し出してみようかしらとその場を立ち上がり彼から背を向けてキッチンへと繋がる扉へと手を掛けた。
その時だった。彼が何か呪文のような物を言い、ぽてんと足元に何か軽い物が落ちた音がするがする。
何だろうと思いそれを手に取るとどこかで見たよな子供用のクッキー菓子の袋。
赤いやつに白い丸が描かれてそのなかに赤さんの写真が入ってる某お菓子……。
天井に張り付けた記憶はあるはずもなく、ちらりと後ろの方を見るとあれっといったような表情を浮かべた後、焦ったような顔をしてパラパラと本のページを捲る悪魔の姿があった。
なぜそんな事をしているのだろうと首を傾げつつ思考する。
…………ああ！成程！お近づきの印にということかしら！
「お近づきの印に魔術でビスコを渡すなんて貴方なかなかに面白い事するじゃない」
本当に面白い、悪魔はそういうユーモアも人間と違うのかしらとにっこり笑顔を向けると彼は先ほどよりもビクゥッと肩を跳ねさせ後ろには壁しかないのにさらに後ろに下がろうとしていた。
ビスコに見合うかは分からないけれどもこれはすぐにお茶を持ってきてあげないと。
朝の六時を知らせるためボーンと静かになる音を他所に彼をおいて足早にキッチンへと入って行った。
すぐにポットの中に水を入れて電源を付け緑茶の粉を湯呑の中に入れた後、冷蔵庫からカステラを取り出して三口分ほどに切り分け皿の上に乗せた後、また冷蔵庫に戻す。
そうしているとあっという間にポットのお湯が沸いた音がして湯呑の中にお湯を注いだ。
お茶のいい匂いがするが、別に今飲もうとは思わないため自分の分は淹れていない。
「お待たせ。お口に合うかわからないけ……れ、ど」
おぼんに乗せて扉を開きつつ明るく言ってみるがその言おうとした言葉が終わるにつれてやや疑問が籠ったような声に変ったのが手に取る様に分かった。
何処にもいない。
まるで嘘だったかのようにそこには誰もなにもなかった。
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みそしる - 設定が天才！めっちゃ楽しみにしてます！ (10月9日 9時) (
レス) id: b003276cbd (このIDを非表示/違反報告)
ユア - 管理人さんがトントンか…会いたい！自分のペースで頑張って！ (9月13日 22時) (レス) @page12 id: ae68d762ff (このIDを非表示/違反報告)
もち明太子チーズ - この作品すごい好きです!!毎日更新を楽しみにしてます!!応援しています!! (2023年1月30日 14時) (レス) @page11 id: 5a52c0f3ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：守護神派生 | 作成日時：2022年11月2日 11時
