【2】マジか…歌い手シェアハウスって…現実にもあんの！？【歌い手】

「五十一」 ページ20

「ん、Aだよ」


そう言うとナノの表情が一変した。眠たそうな顔が緩んだのである。


「すごいねぇ！やっぱり二十歳越えるとみんなこうなっちゃうのかな！可愛くなって！えぇーやだなぁそれだけ僕も年とったってことじゃない！大きくなったし髪も伸びたしコンタクトにして髪結んだの？」


「久しぶりにあった親戚のおばちゃんみたいな反応すんなw」


「で、何を話に来たの？」


「いやー…なんていうかね、愚痴りたい気分なんだ」


それから、私は二時間位ナノと喋っていた。嫌な顔一つせず聞いてくれるなぁ、前と同じだ。お姉ちゃんなのかお兄ちゃんなのかすら分かんないけど暖かい。


はぁ、そろっと帰るかなぁ。


そう思い鞄を持って席を立つとナノは悲しそうに笑い、手を振ってくれた。



また家までの道を歩く。近所の中学生が通りすぎていって、にぎやかな声が耳に入る。エンジョイしてんな、いいなぁ。っと、もう家かよ。


その後、変わった様子も無く、普通に一日を終えた。そして次の日も、なんの事は無く、私が東京に戻るまで美味しいハプニングは無かった。お父さんもお母さんもその事はいっさい言わなかったし、話をつけにいくってったつんてよく考えれば夜遊びやめろや位しか言うことないし、言ったし。


またいつも通りの日常が始まるんだ、多分。


***

シリアス強制終了

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