◆ 魔女狩り ５ ページ6
＊
「……で、」
はふ、と熱の籠った吐息を吐き出しながら紅茶を啜る死柄木さんに問い掛ける。
黒霧さんは少し離れたテーブルで誰かと連絡を取っているようだった。
「“イイコト"って何だったの？」
ティーカップの縁を唇に当てたまま首を傾げてみせると、彼はニヤリと不敵に笑った。
「ああ……悪いけどそれはまだ言えない」
「え？ それを伝えに来たんじゃないの？」
予想外の言葉に目を瞬くと、死柄木さんはクスクスと笑い出す。
……ちょっと悔しい。
「いや、違う。イイコトがあったからAの顔が見たくてさ」
「ふぅん、そう」
こういうときは詮索しないに限る。
何か私に関係あることかもしれないし、気にならないと言えば嘘になる。
それでも、私はこれ以上踏み込まないことを決めてカップに残ったミルクティーを飲み干し、背凭れにそっと体を預けた。
隣に座っていた死柄木さんが、不貞腐れた子どもを宥めるように私の頭をぽんぽんと撫でている。
「死柄木さんは秘密が多いのね。同じ敵(ヴィラン)連合の仲間の癖に」
「仲間なんてモンじゃない。そんなキレーな言葉で片付けられちゃあ困る」
「えー、死柄木さんだってよく使ってるじゃない？」
「それは俺だから仕方ない。だろ？ A」
濁った瞳を意味ありげに細める死柄木さん。
これもまた、踏み込まないでいるべきサインだ。
随分と人の表情に敏感になったものね、と一人自嘲し、私はまた黙してしまう。
彼の赤い瞳から視線を落とす。
空のティーカップを指先で手持ち無沙汰に弄っていると、死柄木さんが頭を撫でる手を止めた。
「……なぁ、A」
少し甘えたような掠れた声が、耳に吹き込まれる。
視線をずらせば、死柄木さんが私の直ぐ隣に体を寄せていた。
大事な話をする時の、彼のクセ。
「……なぁに？」
此方も甘い声で囁き返し、するりと腕を取れば、死柄木さんが楽しそうに口元を歪める。
ハハッという心底愉快そうな乾いた笑みを洩らすのが聞こえた。
「雄英高校って、知ってるよなぁ？ ヒーロー科で有名な」
＊
ラッキーアイテム
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白林檎(プロフ) - 猫夜桜((シラキさん» 素敵なコメントありがとうございます！ まだまだ拙い文章ですが、楽しんで頂けたなら嬉しいです(*´艸｀*) 更新頑張ります…！ (2018年9月26日 6時) (携帯から) (
レス) id: b3533b2202 (このIDを非表示/違反報告)
猫夜桜((シラキ(プロフ) - めっちゃいい作品じゃないですか！！最高！とても面白かったです！更新頑張ってくださいね！！応援しています！！ (2018年9月26日 2時) (レス) id: 4588ab3ba5 (このIDを非表示/違反報告)
白林檎(プロフ) - fogliaさん» わぁあ、温かいコメントありがとうございます…！ そう言って頂けて嬉しいです、これからも面白い作品作りに励みます！◎ 作者の体調まで心配して下さって…。本当にありがとうございました！ (2018年9月14日 18時) (携帯から) (レス) id: b3533b2202 (このIDを非表示/違反報告)
foglia(プロフ) - 癖でいつも高評価してしまいます…！とても好きです。どうか無理はせず頑張って下さい。 (2018年9月14日 17時) (レス) id: d019805116 (このIDを非表示/違反報告)
白林檎(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» コメントありがとうございます。現在多忙につきこれ以上の掛け持ちは更新停止に陥りかねないと判断しておりますので、そのリクエストにはお応え出来ません…。本当にごめんなさい！ 作品内で番外編として登場させる事は可能ですので、一度ご検討ください(OO;) (2018年9月10日 10時) (携帯から) (レス) id: b3533b2202 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白林檎 | 作成日時：2018年8月20日 16時
