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your side
蒸し暑さに早くも鬱陶しさを感じてきた。
相変わずじめじめとした空気が肌に巻き付く。
二度寝をしたせいで少し遅れてしまった。
急ぎ足で会社へと向かう。
鉛色の空からは今にも雨が降り出しそうだ。
社内へはいると、幾分か湿気が少なくなった気がする。
除湿機の重要さを梅雨時は身に染みて感じる。
「おはようございます」
いつもより遅く出たのにまだ誰も来ていなかった。
私はいつも通り軽く掃除をしてポットの水を足す。
ふと、知っている香りがよぎった。
「おはよう、桜木さん」
彼だった。
「おはようございます、菊池さん」
給湯室を覗いてきた彼の前髪は、湿気で少しうなっていた。
いつもありがとね、と私に一声かけてデスクに腰掛ける。
微かに熱を帯びた頬を手で隠した。
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作者名:cororo x他1人 | 作成日時:2021年5月16日 2時