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おばあちゃんは目を見開いた後、目を細めて微笑んだ。
買いに行こうかと優しい声で言ってくれた。
決して安いものではないしそんな簡単に買っていいものなのかと疑問を口にすると初めてのおねだりくらい聞かなくちゃねって
こんなに優しい人がこんな近くにいたなんて…
お兄ちゃんもお姉ちゃんもすごく優しい
けど，今は離れたところにいるし一人ぼっちだと思ってた
近くにいたけど、どこか信用してない
そんな感じが続いてた。
おばあちゃんに申し訳ない
こんなにも私のことを大切に思ってくれてたのにって。
カメラを買ってくれるから信用したとかじゃない。
けどカメラがきっかけにはなった。
『ありがとう』
少し笑えた気がする。
弟がいなくなって久しく笑てなかったから
それからさっきの電気屋さんに逆戻り
どのメーカーのどのカメラがいいとか全くわからなかったから店員さんにおすすめされたカメラにした。
レトロチックでおしゃれな黒色。
革っぽい素材が使われてて触り心地が良く、持ちやすい形で手の小さい私でも安定した持ち方ができる。
電気屋さんを出てから家に帰るまでの間カメラの箱を落とさないように慎重に運んだ。
ワクワクとドキドキとゾクゾク
興味のあることに対してこんな気持ちになるのかと初めての感覚を楽しんだ。
少しずるいと思った。みんなは普段からこんな気持ちで溢れかえっているのだと思うとずるく思う。羨ましくもある。
家に帰って取扱説明書を読んだけどよく分からない。
取扱説明書だけでも本のように厚い
読む気も失せるとはこういうことか
カメラの充電ができたら外に出て分からないなりに何か撮ってみようかな
外はきれいに晴れていた。
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作者名：ちょこあな | 作成日時：2021年2月1日 23時
