ファインダーの向こうの貴方 (ページ4)

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あれからどのくらい経ったか、

何日か何週間か、何ヶ月かもしれないし何年かもしれない
とにかく長い時間ぼーっとして過ごした。
何も考えず何もせず
おばあちゃんは心配そうな顔で毎食私の前にご飯を置いてくれて、その他はそっとしてくれてる。
ご飯はちゃんと食べてる。1日1食だけど
おばあちゃんにもお兄ちゃんにもお姉ちゃんにも、何より弟に心配をかけたくなかったから

ご飯を食べなかったら死ねるかなって考えたけど、おばあちゃんが1人になっちゃうからもうちょっと生きてみようかなって
おばあちゃんがいなくなったら私もいなくなろっかな

ある日、久しぶりに外に出たくなった。

おばあちゃんに一言言って家を出た

外は晴れてるのか曇ってるのかよく分からない

久しぶりに来たはずの街は何一つ変わってなかった。
いつもおばあちゃんが行っている八百屋もその横にある魚屋も向かいにある花屋も何一つ変わってない。
それが心地よかった。

家から2キロくらい離れたところにある電気屋に来た。
特に意味もないけどなんとなく気になって

店内を小一時間回って、最後にレジ横にあるカメラコーナーへ

『…カメラ』

…やってみたいな

初めて弟以外に興味を持った。

別に初めて見るわけでもない。けどやってみたいと思った。

そこからの行動は早かった。
自分でも自分にこんな行動力あったのかと驚いた

家に帰っておばあちゃんの前に座った

『カメラが欲しい』

これが生まれて初めての私の我儘