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＊
これ、やったわ。
なにが収まりきらない高揚感だ。
なにがふわふわした浮遊感だ。
それらは全部、余韻なんて可愛らしいものじゃなかった。
「あ゛ーー…」
最悪だ。
ほんと、まじで、最悪。
目を覚ました瞬間、己の身体の変化を察して「やらかした」と確信した。
割れるように頭が痛い。
いっそ笑えてしまうくらい身体中が、だるい。
完全に、風邪を引いた。
お昼まで、と決めて寝に入ったはずが、ダイニングの窓から見える外の色は、もうすぐ橙から濃紺になろうとしている。
それを見て思わず呆れた。
おいおい、何時間寝たんだ私は。
時計を確認するために身体を起こそうとすると、たったそれだけのことで視界がぐにゃりと歪み、思わず小さな悲鳴を上げた。
両肩に鉛が乗っかったみたいな異常な重みを感じる。
私は大いに戸惑いながら、腕に力を込めた。
中途半端な体勢のまま、どうしたら良いのか分からなくなってしまった。
ここで無理に起き上がったとしても、目の前にはテーブルがある。
テレビを見ながら食事をするために配置した家具なので、ソファとテーブルの間にさほど隙間はない。
もしそのままバランスを崩して転倒すれば、間違いなくテーブルのどこかしらに頭を打つ可能性があった。
良からぬことを想像したら、ゾッとして一気に血の気が引いていく。
この状態で動くのは危険だと判断して支えていた腕を戻すと、風に煽られるよりも簡単に身体がソファに沈んでいった。
天井を見上げながらひとしきり後悔する。
こんなところで中途半端に寝てしまったのが決定打になったのだろうか。
よりにもよって、新年しょっぱなから風邪を引くなんて。
しばらくすると目眩はおさまってくれた。
さっきと同じように両腕で上半身を支えながら起き上がり、視界に異常がないことをきちんと確認してから、ゆっくりソファを降りるとそのままシャワーを浴びにいく。
風邪を引いている状態でのお風呂はなかなかにリスキーだったが、冬場とはいえ丸一日働いた身体は何となく気持ち悪かったし、メイクも昨日のままだったので背に腹は変えられない。
シャワーを浴び、髪と身体を洗い、メイクを落とす。
髪を一纏めにしてタオルドライする間に、一旦ダイニングに戻ってキッチンを覗いた。
多少喉の痛みは感じるものの、水も飲めないほどではない。
食器棚の中に常備薬として置いていた解熱鎮痛剤を見つけて服薬すると、ほんの少しだけ、身体が楽になったような気がした。
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泥濘(プロフ) - ちいさいばあばあさん» コメントありがとうございます。返信が遅くなりまして申し訳ありません。話の展開がゆっくりですが、引き続き今後の展開を見守っていただければ幸いです。 (2月25日 22時) (
レス) id: 014ca7ae0d (このIDを非表示/違反報告)
ちいさいばあばあ(プロフ) - あべちゃんとマネちゃんが付き合う事になるといいですね。 (2月14日 17時) (レス) id: b4b34b6799 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：泥濘 | 作成日時：2024年1月25日 0時
