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しばらくしたらトランポリンのように軽快に弾んでいた気持ちも徐々に落ち着いてくる。
それまで散々、それこそ穴が開くんじゃないかってくらい阿部さんをガン見していたというのに、こちらのタイミングを見計らったように「なんか本でも読み聞かせする？それともお腹トントンしててあげようか」とふざけたように聞いてきたので、私はまた恥ずかしくなった。
やっぱり見透かされていたのだ。
「……子供扱いすんな」
鼻先まで隠していた布団から顔を出し、顰めっ面と共にむぅ、と頬を膨らませてアピールしてみたものの、阿部さんは声もなく実に楽しそうに笑うだけで効果はない。
空いた手が頬に伸びてきたかと思えば「えい」と膨らんだ頬をつつかれ、空気が抜けた。
「ふふ、不満そうじゃん。でもついでにさ、ここまできたら俺のワガママにも付き合って欲しいなーなんて」
「……阿部さんのわがまま？」
聞き返せば、そうそう、と彼は頷きながら、頼んでもいないのにふわふわの布団の上からお腹のあたりをトントンとゆっくりとしたリズムで叩き始めた。
布団の分厚さに負けて感覚はほとんど体に伝わってこなかったが、それよりも気になったのは阿部さんの表情だ。
なんだその嬉しそうに目尻を下げただらしない顔は。
「誰かの看病してみたかったんだよね」
「それは…どういう経緯で？」
「えー！だって憧れない？家族以外の人に看病してもらうのも、するのも。なんか特別感あるというかベタ中のベタな王道シチュエーションというかさ」
私の手を握りながら目を輝かせて熱弁を振るう阿部さんは、こっちが恥ずかしくなるぐらいまっすぐだった。
彼のように自分の気持ちを素直に、正直に言語化できることは簡単そうに見えて実は難しい。
大人になれば、なるほど。
というか、本当にベタが好きなんだなと、もはや感心すら覚えるレベルだ。
「Aさんもそう思わない？」
そう聞かれたので、
「でもそういうのってさぁ、」
──両片思いだったり、恋人同士だから成立するもんじゃないの？
そう言いかけて早速、言葉に詰まった。
待て待て。
言えるか、そんなこと。
この状況をもってしてのその発言は、単なる自意識過剰もしくは自爆行為でしかない。
「そうかな？」とか「そんなこと考えてたの？」なんて同意を得られなければ、私は妄想力の激しいただの痛いヤツじゃん。
「なに？」と首を傾げる阿部さんに慌てて「なんでもない」と首を振る。
すると彼はさらに続けた。
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泥濘(プロフ) - ちいさいばあばあさん» コメントありがとうございます。返信が遅くなりまして申し訳ありません。話の展開がゆっくりですが、引き続き今後の展開を見守っていただければ幸いです。 (2月25日 22時) (
レス) id: 014ca7ae0d (このIDを非表示/違反報告)
ちいさいばあばあ(プロフ) - あべちゃんとマネちゃんが付き合う事になるといいですね。 (2月14日 17時) (レス) id: b4b34b6799 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：泥濘 | 作成日時：2024年1月25日 0時
