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「はー…最っ高」
ダイニングの時計はもうすぐ8時になろうとしている。
イケる。
ここでちょっとネタとしても、お昼には目を覚ますはず。
もうほとんど働いていない頭で導き出した、根拠のないガバガバな計算式を信じて仮眠を決めた。
一息つけばすぐに、忘れていた眠気が襲いかかってきた。
真っ白な天井を見つめたあと、感慨深く目を閉じる。
瞼の裏にぼんやりと浮かんだのは、あっという間に過ぎ去っていった12月のこと。
忙しすぎて細かなことはほぼ覚えていない、というのが本当のところではあるものの、その記憶は一貫して充実していたと言い切れる。
イルミネーションはおろか、クリスマスだの年の瀬だのと感慨に浸る余裕もなく、怒涛のように新しい年を迎えたのは初めての経験だった。
この仕事が楽しい。
ただ、その言葉に尽きる。
何度か応募したことはあったものの、結局一度も当選しなかったカウントダウンコンサートにスタッフ側で参加できたことで、私は勝手ながら、ようやく一人前になれたような、そんな気分に浸っていた。
長年の業界経験のおかげもあって、今日の私はここぞという時に必要に応じた動きが出来ていたと思う。
とにかく勘が冴え渡っていた。
公演後にこっそり呼び止められるような形で、各グループのマネージャーをはじめ上層部の偉い人たちにも今回の働きぶりを褒められた。
「前例のない女性マネージャー」として何かにつけ庇護されがちだった立場から、成果を上げて脱却できたこと。
これが実は地味に嬉しかった。
疲れているはずなのに、体は休息を求めているはずなのに、こうして家に着いて横になり、目を瞑ってもなお、未だに夢物語のなかにいるような感覚がどこかに残っている。
高揚感というか、ふわふわとした雲の上にいるような浮遊感みたいなものが抜けきらない。
鼓動もいつもより早い気がする。
寝て起きたらまずは手始めに部屋を簡単に片付けて溜まりに溜まった洗濯を回すつもりだったが、阿部さんの話を聞いて初詣にも行きたくなった。
洗濯機を回している間に行こうと思えば、行ける。
ついでにお正月ムード一色の近所を、興味本位でうろつくのも楽しそうだ。
もちろん、本試験の勉強もしなければ。
起きてからのスケジュールを大まかに決めているうちに、だんだんと目の奥が沈むような感覚に襲われる。
思考が徐々に霞むなか、一度ブランケットを肩までしっかり掛け直すと、私は抵抗することなく意識を手放した。
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泥濘(プロフ) - ちいさいばあばあさん» コメントありがとうございます。返信が遅くなりまして申し訳ありません。話の展開がゆっくりですが、引き続き今後の展開を見守っていただければ幸いです。 (2月25日 22時) (
レス) id: 014ca7ae0d (このIDを非表示/違反報告)
ちいさいばあばあ(プロフ) - あべちゃんとマネちゃんが付き合う事になるといいですね。 (2月14日 17時) (レス) id: b4b34b6799 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：泥濘 | 作成日時：2024年1月25日 0時
