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You side.
翔「ごめん、急に会いに来たりして、」
しおらしく謝る彼。
目の前にいるのは少し甘えた声でかわいらしい、出会った当初の彼そのものだった。
翔「あの、さ、ごめんね。Aのこと、大事にしてあげられなくて。」
「....ううん、」
翔「仕事ばっかだったのはさ、Aと結婚したくて....その、今の稼ぎじゃ不安だったからなんだ。早く昇進して、Aと一緒に住みたくて頑張ってた。
あと、友達と会ってたのはね、どうプロポーズしたかとか聞いてただけで、その、」
彼がボロボロと吐き出す言葉は全て、私へ向けての愛情だったことが分かり、とてつもない罪悪感に襲われた。
翔「全部、Aとの将来の為だった。.....なんて、今更言ったって遅いのは分かってる。
俺がAを傷付けていたのは事実だから、それに関しては本当にごめん。」
深く頭を下げた彼に、なんと言葉を掛ければいいのか分からなかった。
全ては、私の勘違いから始まったんだ。
翔「それから、信じてもらえないかもしれないけど、ストーカーなんてしてない。....そりゃ、Aとヨリを戻したい気持ちはあるけど、」
そう言って、半歩だけ距離を縮めた。
翔「もう、俺のこと好きじゃない、?」
「私、っ」
ピピピッ
「っ!」
翔「え、なに、アラーム?」
このアラームはもう帰らなければならないというタイムリミットを示していた。
「.....ごめん、もう帰らなきゃ、」
私は踵を返して帰り道を戻ろうとした。
翔「待って、」
パシッと握られた手首。
掴まれた瞬間、ドクンッと心臓が跳ね上がった。
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cleam(プロフ) - ゆんりかさん» お返事が遅くなり申し訳ないです....!ありがとうございます( ; ; )ちょっと怖いお話(?)だったのでそう言っていただけて嬉しいです( ; ; ) (2021年5月4日 19時) (レス) id: c295088e12 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんりか(プロフ) - コメント失礼します 読んでいるうちにどんどん引き込まれました♪ 最高です (2021年5月1日 14時) (レス) id: d4900d386d (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - menoさん» コメントありがとうございます!担当様でしたか( °o°)内容が強すぎたら申し訳ないです....いつかあべくんには狂ったキャラを、と思っていたのでそこを楽しんでもらえたなら幸いです。いつか役回りでサイコパスなあべくんも見てみたいですね^^ (2021年2月15日 23時) (レス) id: d9a9e1fa04 (このIDを非表示/違反報告)
meno(プロフ) - 軽い気持ちで読んでたら、え、?とかは、?とかもう内容に引っ張られちゃって、もうとにかく凄いなって思いました!!!フィクションだからこそ自担の妄想黒場面がみられたのが幸せでした(あ、阿部ちゃん…あなたそんな…え…とちょっと放心状態になったのは内緒) (2021年2月15日 10時) (レス) id: a41f81c6b1 (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - Asahiさん» お返事遅くなりまして申し訳ありません!一応こちらはあべくんのお話なのでこのエンドが正規ルートです。ですがもしわたなべくんオチを、とのことでしたら書かせていただきます^^ただちょっと時間が掛かってしまうかもしれないので、それでも良ければなんですけど.... (2021年2月15日 0時) (レス) id: d9a9e1fa04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:cleam | 作成日時:2021年1月26日 21時