それは突然に

◎23(side卓) ページ23

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連絡先を交換してから何日か経ったけれど
向こうからも連絡もなく自分からもなかなか勇気が出なくて連絡できないでいた。



鍵「携帯に穴開くって」

『え？』

鍵「さっきからずっと携帯しか見てないけどなんかあったの？」


試合終わりのロッカールームで
考え事をしてる最中いつの間にか携帯と
にらめっこしていた俺を見て鍵谷がそう言った。

聞き上手の鍵谷に今俺が考えてることを
全て話した。


鍵「卓が待ってるように絶対Aちゃんも待ってると思うよ」

『でもなんて送ったらいいかわからん』

鍵「それはお前自身が考えることね。これ重要」

『考えた結果がこの状況じゃん？』

鍵「じゃあ…会いたいって送れば？笑」


絶対こいつバカにしてるな。
シャワー終わりで実はパンイチだった
鍵谷の尻に1発蹴りを入れてやった。



(帰ったら連絡してみるか)




家に帰り一息ついたころで
連絡をする決心がつき連絡帳のAの文字を探した。


連絡をしてから数十分後に彼女からの返信がきた。
なぜか俺は彼女の声が聞きたくなって



"今電話していい？"


送ったと同時に後悔の気持ちと恥ずかしさが
心の中で募った。

Aからオッケーが出て電話をかけた。


「もしもし」

『突然ごめん、仕事だったよね？なんかAと話したくなってさ』

「全然、卓こそ疲れてない？」

『今日はオフだったから全然平気』


今日はバリバリ試合だったがなぜこんな嘘をついたのだろう。おそらく彼女に気を使わせたくなかったからだ。それから、お互いの色んなことを話した。



すると、彼女がよそうだにしなかったことを言い放った。


『あ！そういえばね今度遥輝くんとご飯食べに行く約束したんだ』


は？意味わからん。なんで遥輝と2人で？
てかなんで俺こんなにイライラしてんだ？
もう全部が意味わからん。



そこからの会話はほぼ覚えていなくて、気づいたらAとの電話は終わっていた。






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