殺鬼華

1話 ページ2

私は…
父と母にとても愛されていた……
ある日、父は帰りが遅くて…母は様子を見に出て行ってしまった。
なかなか帰って来なくて…
寂しくなって、毎日毎日…泣き続けた。
すると一人の男の人が来て、父と母が隣り合わせで亡くなっていた事を言われた。
死因は毒による死だった。
近くに毒が入った小瓶が転がっていたと言う。
心中じゃないかという話もあったけど、幼くして1人になってしまった…
親戚の大人が数人、集まって誰が引き取るか相談していたけど、誰もが否定した。
原因は分かっていた。
産まれてきてからずっと私はまるで、蛇の様な目と目の周りの肌が蛇そのものだと…
気味悪がられて正直、ショックで泣きそうだったけどね。
私の従兄だって言う人が、引き取りに来たの。
今思えば、不思議な人っていう印象だった。

「お前がAか…さっさと行くぞ」

痩せ細った私の小さな手をもって、引いて連れ帰られた。
今はもう……本当の兄のような存在だから。

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