殺人鬼とナイフ使いの女の子 (ページ3)

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Aはドアを開け、部屋に入る。

さっきの部屋と同じような無機質な部屋だった。

  目の前にはコの字型のテーブルがあって、上には白いコンピュータが置かれて、その向こう側には鏡がある。  

A『ふーん…さっきと同じぐらい…』  

彼女はコンピュータに近づき、キーボードのボタンや電源ボタンを押すが動かない。 

 A『動かないし…本当に…ここ何処？』 

天井に監視カメラを睨みつけるように見て、 少し不安になりながら鏡の前まで歩いて止まった。

鏡に映る自分の目を見て呟く。

  A『………父さん』

 父親から受け継がれた宝石の様な紫色の目を父親との記憶を思い出す。

 その時、後ろにあるコンピュータの電源が自動的にカチッと音がして様子を見に行く。

  A『あ、ついてる…』

  コンピュータの画面を見て黒い液晶画面には、次から次へと、すごいスピードで不規則な英数字が連なっては消えていく様子が映し出されていた。

突如、ピッピッと音がして画面には白い文字が表示される 。

 －－－「情報画面を開いてます」－－－

  －－－「データ記入をします」－－－  

そして文字に連動するように、コンピュータは淡々と喋り始めた。

－－－「質問にお答えください」－－－ 

－－－あなたのお名前は？－－－

A『貴崎 A…』

－－－年齢は？－－－

A『…19』

－－－なぜ、ここにいるのですか？－－－

A『それは分からないよ、気づいたらここに居たし…』

－－－なぜ？－－－

A『………。』

－－－なぜ？－－－

－－－なぜ？－－－

A『知るか』

答える隙もないほど無意味な連呼に、Aの顔は無表情になる。

－－－なぜ？－－－

－－－なぜ気づいたら？

A『だから…っ！』

突然、頭の中でフラッシュバックして押えて、同時に頭痛がし背中にもたれかかる。

A『そう、思い出した…でも言えない…秘密で…約束だから…』

－－－記入終了－－－

－－－プレイスタート用のカードキーを配布します。－－－

その文章を最後に、コンピュータ画面はプツリと音を立てて真っ暗になった。

コンピュータの側面からはカードが出てきた。

彼女はコンピュータからカードを引き抜くと、部屋を後にして扉の方へ向かった。