殺人鬼とナイフ使いの女の子 (ページ2)

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「……大嫌い……」

｢貴女なんて………産まなきゃよかった｣

「役立たずの…化物が…！！！」

怒鳴り散らす声、失望する声、嫌う声。

どれも真っ暗な闇の中で聴こえる。

その声は聞いたことのある声で、聞く度に胸の奥が激しく怒りや悲しみが、入り混じって湧き上がる。

いつの間にか涙が流れていた。

「お前はな……いい子だよ…俺の大切な娘だ」

黒いマントを着てペストマスクを付けてる男は、紫色の目をした女の子に優しく言って頭を撫でる。

｢お父さん…何で顔見せてくれないの…｣

｢俺の顔は醜いから…見てはダメなんだよ｣

マスクを被ったままだが優しく微笑む表情はなんとなく分かったような気がした。
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椅子とカメラしかない部屋。

部屋の窓からは青い月の光が差し込む。

その月の光は椅子に座って静かに眠っている女の子を照らす。

女の子はふと、目が醒めてゆっくりと立ち上がる。

辺りを見渡して天井に左右2台設置されているカメラがある事に気づく。

A『…っ……アレ？ここ何処？
カメラ…それに青くて綺麗な月…でも偽物だ』

彼女は窓から見える青い月にうっとりするが、そんな事している場合じゃないと思い出してまた辺りを見渡して確認する。

A『うーん…特に何もないし良いかな、ていうか、静かすぎて寂しい…さっさと部屋から出るか…』

部屋から出ていき、白いタイルの廊下を歩いてゆくが不気味すぎるくらい静かで少し警戒してしまう。

少し進んだ所には、格子状の扉がある。

扉にはカードを嵌め込む装置が付いていてすぐにカードが必要だと分かった。

再び廊下を進んで行く。

ふと、その奇妙な文字の連なりが視界に入って、立ち止まる。

A『何これ…』

" 君はいったい誰で、何者か "

" 自身で確かめるべきである "

" 本来の姿か、望む姿か "

" 天使か、生贄か "

" 己を知れば門は開かれる "

A『何かの呪文みたいな…』

文章が書かれた壁の隣には、さっきの部屋と同じドアがある。

そっとドアノブに手を掛けて開ける。