■王子様のウラの顔／水 ページ9
シンデレラパロ
▽
最初は、
すごく、綺麗でかっこいい…それこそ運命の王子様かとも思った。髪は金髪で、瞳は空みたいに透き通った水色、言い表せないほどにキラキラして見えて。こんなにも容姿が整った男性なんて出会ったことがなかった私は気づけば一目惚れしていた。
けれど12時の鐘が鳴り私は約束を破らぬよう家へと帰った。なぜあんたが舞踏会に来ているんだとお母様やお姉様から散々虐げられたが、彼がそんな私を見つけ出してくれた。
そしてあの家から助けてくれたコネシマ様は私をお城へと連れて行ってくれたのだ。
│
「ほら、ちゃんと見とくんやで。Aの大ッ嫌いな奴をあーやって痛めつけてやってん。な、嬉しいやろ？」
『っ、！や…て、ください。お願いだから…っ』
何も、なにも嬉しくなんてない。私の目の前で悶え苦しんでいるお母様たちを見て何が嬉しいのか。…出血も酷い、彼女達の悲鳴だけが部屋に響き渡って。見ていられない悲惨な光景から目を背ければ強制的に向かされてしまう。
「…あァ暴れたらダメやん。手に傷ができるだけやで｣
コネシマ様は私が抵抗するのを見越した上で予め手枷を付けてきたのだろう。ガチャガチャと虚しく音だけが鳴る。彼の水色の瞳には熱を含んでいて、私を見つめると涙で濡れた頬にそっと手が添えられた。
……気持ちが悪い。憧れ慕っていたコネシマ様がこんな狂っていたなんて。カタカタと体が震えて、頭が恐怖という感情で埋め尽くされる。ぐらり、眩暈がして視界が暗く、閉ざされた。
「……アッハ、可愛ええなぁほんま」
│
しばらく経ち、街ではとある王子様が婚約をしたと噂が流れた。
……同時に、一人の少女が行方知らずになったとも。
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もちもち太る♪(プロフ) - おもっっっしろかったです!!ヤンデレの狂気性とかが忠実にそれでいてどこかふわっと表現されていて読みながらニヤニヤしてしまいました💦神作品をありがとうございました!! (1月10日 2時) (
レス) @page16 id: 511e4bb1f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恋雨氏
| 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/R9uf2SJKvFrqI87
作成日時：2023年12月11日 1時
