■シニカル or アイロニカル？／青 ページ16
▽
「あぁ…ごめんなぁその日はユリちゃんと予定があるんよ〜」
──彼女の私がすぐ傍に居るというのに。
この鬱と言う私のカレシは女遊びが人一倍激しい男だ。世間ではこれを典型的な屑と評するのだろう。
私が鬱くんをじっと見つめたとしても、当の本人は気付いていながら一度も目を合わすことはしてくれない。そしてそのまま電話相手である他の女と会話をし始める始末。
ピッ、と通話を終えた彼は大抵同じ言葉を発してくる。
「なぁAちゃん、お金貸してくれへん？ホンマちょっとでええねん！必ず返すから」
その言葉も彼と交際を始めてから何回言われたのだろう。私も断れば、別れればいいと思うのに、口が勝手に貸す前提で開いてしまう。
『…何に使うの？』
「ん、…実はAちゃんにプレゼントしたいなぁ思っててん。言ったら意味ないねんけどな」
『……そっか。』
私に贈り物をくれたことなんて一度もないクセに。それなのに他の女には高級なアクセサリーやら財布やら衣服やら、貢いでばっかで。
…なんで、なんで。
今まで蓄積されてきた感情が弾けそうになった時、鬱くんにそっ、と抱き締められた。
「…ごめんなぁ、俺、Aちゃんのこと好きやで。愛しとる」
上辺だけの謝罪なんて意味もないでしょ。
そう思いながらも、私の手は彼の背中へ回って抱き締め合う形になる。鬱くんの「愛してる」が私の心を穏やかにさせる、させてしまう。皮肉な程に。
今日もまた、カレシは冷笑的な表情で私を見つめるのだ。
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もちもち太る♪(プロフ) - おもっっっしろかったです!!ヤンデレの狂気性とかが忠実にそれでいてどこかふわっと表現されていて読みながらニヤニヤしてしまいました💦神作品をありがとうございました!! (1月10日 2時) (
レス) @page16 id: 511e4bb1f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恋雨氏
| 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/R9uf2SJKvFrqI87
作成日時：2023年12月11日 1時
