たんぽぽ/gr ページ18
ああ、鬱陶しい。ここ最近は繁忙期で、寝る時間さえも削っていると言うのに、俺に届く大量のプレゼント。これら全ては危険物ではないかどうかを確認する必要があるため、貴重な人材をここに割く羽目になる。
「グルちゃん⋯⋯ラブレター30通。薔薇400本。その他食料、服、アクセサリーなどなど。どうする？」
徹夜で調べてくれた大先生がゲッソリとした顔で聞く。
「燃やせ」
「はーい」
慣れたものだ。毎日の作業となっている。1国の総統という立場である定めか。ため息をつくと、大先生と入れ替わるようにして俺の恋人が入ってきた。彼女はA。
純粋で優しい自慢の彼女だ。異性に興味は無いと豪語していた俺だが、情けないことに一目惚れをしてその場でプロポーズをした。あれは後世に残る。出会った日の事を思い出してニヤニヤとしていると、Aが俺の顔を覗き込む。
「グル？」
「ぅお!?近ぇ」
「っふふ、ごめんね。何かいい事でもあった？」
「え？」
「凄く悪〜い笑顔だったよ。私はその顔好きだけどね」
はにかむ彼女が可愛い。思わず席を立ち上がって抱き締めてしまう。こんなところ誰かに見られたら、俺の総統としての威厳が落ちる。しかしそれも厭わない。彼女に触れられている時間が何より好きだから。
「大好き」
「ああ、愛している」
「嬉しい。⋯⋯ねぇ、なんか焦げ臭くない？」
「ああ、いつものだ」
「プレゼント焼却？勿体ない⋯」
「あんなもん、迷惑なだけや。俺は、お前からのプレゼント以外受け取らん」
すると彼女は、少し悲しそうな笑顔を浮かべる。俺はたったこの一瞬で失言をしたのか？思い悩んでいると、彼女は総統室の入口に置いてある袋を持って、窓から投げ落とそうとした。彼女が先程持ってきたものだ。慌てて止めて事情を聞く。
「⋯⋯中庭に行ったらね、凄く可愛いお花が咲いてたの。小さいのに強く咲いてて、グルに似てるなぁって思って、マンちゃんに頼んで植木鉢に移して貰ったの」
「Aが俺に？嬉しいな」
スっと手を伸ばすと、彼女は渡さない。と首を振る。
「何故⋯？」
「だって⋯⋯!!!グルは、国民の皆からいっぱいいいお花貰ってるもん。薔薇とか、百合とか、胡蝶蘭とか、立派なのばっか！でも、私のは⋯」
余程見せたくないらしい。俺はAの腕の中から袋を奪い取って中身を見る。顔を真っ赤にしたAは、俺の後ろに隠れてしまった。こういう行動がいちいち可愛い。俺も相当、Aに惚れ込んどるようや。
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さくらんぼ双子(プロフ) - ルカさん» 分かります⋯!!神作者様だとやっぱり被っても発想が凄いんですよね⋯!! (2022年10月4日 15時) (
レス) id: b167e19be9 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - 薔薇、すごい被ったのに内容が全然違うの凄い､､！！ (2022年9月21日 23時) (レス) @page30 id: 4cbe8909de (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ双子(プロフ) - 闇の塩分さん» 闇の塩分様ありがとうございます！面白かったです。ヤンデレtn氏もいいですね⋯ (2022年8月16日 2時) (レス) id: b167e19be9 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ双子(プロフ) - 若草 翠さん» いえ、そんなことないですよ！読みましたが面白かったです！そしてありがとうございます！ (2022年8月16日 2時) (レス) id: b167e19be9 (このIDを非表示/違反報告)
闇の塩分(プロフ) - 書き終わりました (2022年8月15日 23時) (レス) id: 629d679cbe (このIDを非表示/違反報告)
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