薬のせい３ ページ35
翌朝。
目が覚めた私が目を開けると、正面には紫耀くんの綺麗な寝顔。
紫耀くんの右腕は私の身体を抱き寄せていて、左腕は・・・
『ぎゃっ？！』
私の声に驚いて、紫耀くんがパチっと目を開けた。
「もう、Aさんはなんで毎回ムードぶち壊しなん？朝からどうし・・・」
『だって！どこ触ったまま寝てるのよ？！』
紫耀くんの左手は・・・私の胸を鷲掴みにしていた。
「今更何を言うてんの、昨日も散々触ったやん(笑)」
『そっ、それとこれとは別というか！』
「そうなん？だって気持ちよかってんもん」
そう言いながら、さらに触ってこようとする紫耀くん。
私は、昨晩のことが思い出されて余裕が無いのと、紫耀くんの手を避けるのとで必死になっていた。
『ちょっ、やめっ、やめてっ！』
「ふはっ、Aさんやっぱ面白い(笑)わかったわかった、もうせえへんから」
触ろうとする手を止めた紫耀くんは、両腕で私の身体を捕まえて思いっ切り抱き締めた。
素肌が触れ合う感覚に、自然と鼓動が高まる。
鼻腔を満たすのは、紫耀くんからいつもふんわり漂ってくる甘い香り。
「Aさん、俺とこんなんしててええの？」
『わ、私は・・・』
「立派な浮気やで？(笑)」
紫耀くんに抱き締められているこの時間が、幸せだと思ってしまっていた。
だから考えるのを避けていたのに、紫耀くんからそんなことを言われるなんて。
しかも、私を抱きしめながら・・・。
やっぱり、紫耀くんは残酷だ。
「大丈夫やで、俺は何にも言わへんから。バレへんよ」
『けど・・・』
「俺が欲しくなったら、またいつでもおいで？何回でも抱いてあげる」
『も、もう私はこんなことしない』
「・・・Aさんは、もう俺から離れられへんと思うで」
紫耀くんの言葉は、悪魔の囁きのようだった。
そして、それをすんなり聞き入れてしまいそうな私がいる。
「そうやろ？Aさん？」
紫耀くんが、私の目を見つめて微笑んだ。
窓から差し込む柔らかい朝日が照らす紫耀くんの笑顔は、まるで天使のようだった。
・・・その本性は悪魔なのに。
私は、答える代わりに紫耀くんの腰にぎゅっと抱きついて、その胸元に顔を埋めた。
すると、満足そうにふふっと笑って私の頭を撫でる紫耀くん。
紫耀くんが言った通り、これは立派な浮気だ。
そして、私は紫耀くんにもて遊ばれてるだけかもしれない。
それに気付いていても、私はもう紫耀くんから離れることは出来なかった。
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ふみか(プロフ) - かりんさん» わわわ、そんなに褒めていただいて、嬉しすぎます(;∀;)ありがとうございます！！ (2016年9月6日 14時) (
レス) id: a5e4949f04 (このIDを非表示/違反報告)
かりん - やっぱこの作品最高ですね！！本当に心臓がヤバい（笑）胸キュンどころの騒ぎじゃないですよね（笑）めっちゃお気に入りです！ (2016年9月6日 7時) (レス) id: 7ebf97f1ef (このIDを非表示/違反報告)
ふみか(プロフ) - �狎臼凸喚�(ぽえむ)さん» コメントありがとうございます！頑張って更新して行くので、今後も楽しみにしてもらえたら嬉しいです・・・！(/ω＼*) (2016年9月5日 17時) (レス) id: a5e4949f04 (このIDを非表示/違反報告)
�狎臼凸喚�(ぽえむ)(プロフ) - この作品、めっちゃ好きです！この先どうなるんだろうってすごく気になっちゃいます(*¨*)これからも頑張って下さい！ (2016年9月4日 19時) (レス) id: b5d32a98d8 (このIDを非表示/違反報告)
ふみか(プロフ) - ましゅまろーさん» ハラハラドキドキ、してもらえてますか！そう言ってもらえて良かったです！(^^)コメントありがとうございます！ (2016年9月4日 14時) (レス) id: ae36dcf6ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふみか
| 作成日時：2016年8月26日 22時
