気になるあの子 ページ5
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「お疲れっす」
雑談もそこそこに、哲人が帰路につこうとする。
「おう、お疲れ
最近お前帰るの早いな〜」
「女か?!」
何気なく発した言葉を拾ったのは川端だ。
ふざけてる発言だが、実際のところそうなのではないかとアタリをつけてるのは俺だけではない。
目に見えて調子は良く。
分かりやすく機嫌は良い。
そして、そそくさと帰ろうとする。
同棲でも始めたか?などと哲人が帰ったあと選手同士で噂をしていた。
「女…とはまたちゃいますけど」
「けど?」
「飯作ってくれる奴が出来ました」
「いやそれ女だろ」
「幼馴染みっすよ。最近上京してきて」
住む場所決まってへん言うから隣に呼んだっす。なんて続けてくる哲人を見てははあなるほどと納得した。
「ただの幼馴染隣には呼ばねーだろ」
「まあ、そうっすけど。
向こうはそう思ってるんで」
ははあなるほどなるほど。
本日2度目の納得と共に込み上げてくる笑いを噛み殺す。
どこか川端もニヤニヤしてるのは勘違いでは無いはずだ。
その空気にいたたまれなくなったのか逃げ時と察したのか。そういうことなんで、なんて言って帰っていた哲人。
「若いな」
「だな」
「どんな子なんだろうな、哲人のご飯係」
その日から少しずつ俺達の周りでは哲人のご飯係の幼馴染みについての話題が流行りだしたのだった。
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選手の口調が迷子。
私の中で青木選手と川端選手は微笑ましく、そして面白がりながら2人を見守る立ち位置です。
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作者名:紅子 | 作成日時:2019年6月22日 2時