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なんで坂田くんはうらたさんにそんなこと言うんだろう。
そんな心配をしなくても、うらたさんは私をそんな風に見ていないのに。
というか、うらたさんは勝手に坂田くんから目の敵にされて、迷惑極まりないに違いない。
うらたさんはそんな私の気も知らないで、至極おもしろくなさそうに、ふーん、と言った。
それから、フォークとナイフで1口大にしたハンバーグを口に入れて飲み込むと、思い出したように顔を上げた。
「あ、A。俺、今日バイト終わったらお前ん家行くわ」
うらたさんは今日も夕飯を食べに来るということを言いたかったのだろう。
何回も来ているくせに、事前に言ってきたのはこれが初めてだ。
「あ、はい」
まあ、事前に言ってくれただけマシになったなと思いながらそう答えると、隣から驚いた声があがった。
「え、なんなん！？どういうこと？」
坂田くんは頭上にクエスチョンマークをいくつも乗せて、どこか焦ったように身を乗り出した。
「ご飯食べに来るってことですよね？」
私がうらたさんに確認すると、彼は頷いて、ニヒルに笑った。
「いいだろ、坂田。俺、こいつの手料理しょっちゅう食べてるから」
自慢するようにうらたさんは坂田くんを見て笑う。
ここまできて、ようやく私はうらたさんが"坂田くんの目の前でわざわざ"いつもはしない夕飯を食べに来ると私に言ったのかがわかった。
彼は、坂田くんを煽るためにそれを使ったのだ。
またそうやって人を煽って………私は頭を抱えたくなった。
「お待たせいたしました。期間限定のパスタでございます」
大葉と梅の乗った目にも涼し気なパスタを置いて、店員は綺麗に一礼して踵を返した。
店員が去ると、坂田くんは「ずるい！」と声を荒らげた。
「そんなんずるい！俺も食べたい！」
まるでおもちゃを買ってと母親にねだる駄々っ子だ。
「お前はだめ。な、A」
勝ち誇ったようにうらたさんは言うが、正直2人分も3人分も作る手間は同じなので、たいして違いはない。
「別に、いいけど」
「ほんま？」
坂田くんが目を輝かせると、うらたさんが「だめだ」と一刀両断した。
「A、こいつを甘やかすな。つけ上がるだけだぞ」
「その言葉、そっくりそのままうらたさんにお返ししますよ」
私がそう返すと、うらたさんは返す言葉もないようで、黙ってハンバーグを口に入れた。
かくして、夕飯も3人で食べることとなったのだった。
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りひと(プロフ) - たまさん» たま様/コメントありがとうございます！またコメントをいただけて嬉しいです！続編のほうも、引き続きよろしくお願いいたします！ (2019年12月24日 11時) (
レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
たま(プロフ) - こんにちは！グッドイブニング･トウキョウから引き続きずっと読んでいます。坂田さんsideも入れて頂きありがとうございました。これからの逆襲編も楽しみですし、また坂田さんとくっつくのも楽しみにしております。これからも応援しております。 (2019年12月24日 11時) (レス) id: a928baf79e (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - shioriさん» shiori様/コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！今後も楽しんで読んでいただけるよう努めて参りますので、応援のほどよろしくお願いいたします！ (2019年12月22日 3時) (レス) id: 643f7a330d (このIDを非表示/違反報告)
shiori(プロフ) - 初コメ失礼します！浦田さんのキャラめちゃくちゃいいですね！元々惚れてますけど余計に惚れますね！応援してます！更新頑張ってください！ (2019年12月22日 1時) (レス) id: f06d85eb8e (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - ゆずの実さん» ゆずの実様/コメントありがとうございます！どんどん更新して参りますので、今後とも応援のほどよろしくお願いいたします！ (2019年12月21日 13時) (レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りひと
| 作成日時：2019年12月13日 23時
