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「急になに？もう寝るとこだったんだけど」
「まだ寝てへんやん。セーフセーフ」
センラは無遠慮に部屋に入ってくるなり、彼は我が物顔で冷蔵庫を開けると、そこから以前置いていったビール缶を取り出した。プシュッと小気味いい音を立てた缶を持ちながら、空いた手でネクタイを弛めている。あからさまに嫌そうな顔をしている私の事なんかお構いなしだ。
彼はどかっとソファーに腰掛けて、さっき消したばかりのテレビをつけるなり、「飲もうや」と呑気なことを言い出した。
「二次会は？飲みたいならそっちで飲んでくればよかったのに」
「ああ、二次会な」
「センラ、今日はミホちゃんのことお持ち帰りするんだと思ってた」
「お前は俺のことなんだと思っとるん？」
「え？モテてる自覚のある節操なし男」
「アホか」
センラはひどく顔を顰めた。そんな顔をされてもこっちが困る。そう言われるのだって仕方がない。文句を言うなら過去の自分に言ってほしいものだ。
「あんなん、抜けてきたに決まっとるやん」
めんどくさいだけや、とビールをあおる彼に、私は驚いて目を瞬かせた。センラはそういう場で気に入った子がいればたいていお持ち帰りするのに。そうでなくても、途中で抜けるなんて滅多にない。
「めずらし」
そう言いながら、私はセンラの突然の変化についていけないでいた。
「どうしたの、急に。どういう心境の変化があったわけ？」
「そうやなぁ……まあ、俺もそろそろちゃんとせなあかんと思っただけ」
「ふぅん」
ちゃんと、か。何気なしに言ったセンラの言葉は、淀んでいた私の心に小さな波を立てた。
なぜだか、センラだけ先に進んでしまったような気がした。あのとき、渉さんとの関係をつくったとき、立ち止まることを選んだのは私だ。自分自身で選んで、そうした。後悔なんて、していない。いまもそれは変わらない。
でも、どうしてだろう。近くにいたからだろうか。センラも一緒に立ち止まってくれていた様な気がしていた。彼は優しいから、私と同じところで立ち止まって、一緒にいてくれるものだと思っていた。
もともと、彼は立ち止まってなどいなかったのだ。立ち止まっている私を、時々振り向いて様子を見ていてくれただけ。それなのに、私はなんて傲慢だったんだろう。
「そっか、いいんじゃない？センラだったら、いくらでも相手がいるだろうし」
私は上手く笑えた自信がなかった。
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ちょこ - 更新が止まってます！戻ってきてください！続き楽しみに待ってます！(´;ω;｀) (2022年3月9日 2時) (
レス) @page36 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
りょくちゃ(プロフ) - 続編待ってました...！これからが楽しみすぎる...更新楽しみにしてます！ (2021年4月2日 16時) (レス) id: f217387575 (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - いずりすさん» お久しぶりです。おまたせしました！また頑張りますのでよろしくお願いいたします！ (2021年2月20日 23時) (レス) id: f7fd8fd8e6 (このIDを非表示/違反報告)
いずりす - わぁあ!!!続編おめでとうございますぅう…!!!待ってましたぁ…。またりひとさんの作品が更新されるのもう…嬉しすぎて泣けてきます…。無理せずりひとさんのペースで更新頑張ってください!!!これからも応援してます!! (2021年2月20日 13時) (レス) id: 70d681a1bb (このIDを非表示/違反報告)
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