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｢村形さん？｣
村形さんから、なにか気に障ることでも言われたのだろうか。けれど、村形さんといえば穏やかで、若手に対しても厳しく接するというより、褒めて伸ばすタイプだ。センラが落ち込むようなことを言ったとは考えにくい。
｢村形さんと何かあったの？あ、進藤さんとも一緒だったんでしょ。いつもみたいにからかわれたの？｣
センラをからかっては楽しんでいる進藤さんを思い出した。進藤さんに決して悪気があるわけではない。どんなにからかっても、センラのことを気に入っている、愛情の裏返しなのだ。そんな子供のような進藤さんの言葉に、センラが振り回されることも多い。
たとえそうは言っても、進藤さんのこれまでの実績はかなりのものだから、センラは文句も言えないようだけど。たまには言い返せばいいのに、と心の中で密かに思っている。
｢今年の大賞、村形さんの会社の織田さんって女性らしい。受賞作の写真、見せてもらったんやけど、納得せざるをえなかった。自分の力のなさ以前の問題やった｣
｢どういうこと？｣
｢俺の力がどうこうの問題やなかった。それどころか、仕事への向き合い方を指摘されてさ。今まで村形さんと話したことなかったのにやで？なのに、俺の作品を見ただけで、俺のずるさまで見抜くなんて。さすが、建築界の至宝はレベルが違うわ｣
｢ずるさ？センラの何がずるいっていうの？｣
聞いてから、｢しまった｣と思った。
場違いな音楽がテレビから流れてきて、少しだけ気まずくなる。センラがこんなふうに悩みを"言葉"で吐き出そうとしているのを見るのは初めてだったからだ。
私たちは互いに何があっても、お互いに深くは追求してこなかった。何も言わず、知ろうとせずに、傷を舐め合うだけだったから。
だからこそ、私たちが無意識につくりあげてきた見えない境界線を越えようとしているような気がしたのだ。
なにかを言いかけては口をつぐみ、まるで言葉を吟味するように口の中で転がしている。そうしてから、センラはようやく口を開いた。
｢…………俺な、逃げてたんよ｣
｢え……？｣
予想だにしないセンラの言葉に、私は思わず声をあげた。
逃げてたって、何から逃げていたんだろう。彼が｢逃げるのをやめる｣と言っていたことと関係があるのだろうか。
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ちょこ - 更新が止まってます！戻ってきてください！続き楽しみに待ってます！(´;ω;｀) (2022年3月9日 2時) (
レス) @page36 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
りょくちゃ(プロフ) - 続編待ってました...！これからが楽しみすぎる...更新楽しみにしてます！ (2021年4月2日 16時) (レス) id: f217387575 (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - いずりすさん» お久しぶりです。おまたせしました！また頑張りますのでよろしくお願いいたします！ (2021年2月20日 23時) (レス) id: f7fd8fd8e6 (このIDを非表示/違反報告)
いずりす - わぁあ!!!続編おめでとうございますぅう…!!!待ってましたぁ…。またりひとさんの作品が更新されるのもう…嬉しすぎて泣けてきます…。無理せずりひとさんのペースで更新頑張ってください!!!これからも応援してます!! (2021年2月20日 13時) (レス) id: 70d681a1bb (このIDを非表示/違反報告)
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