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「大賞を目指すこと自体は悪いことじゃない。だが、それがゴールじゃないんだ。織田さんの作った設計やデザインは、それが持つ力や愛を活かして、人が生きるための努力を後押しする作品だ」
「…………生きるための努力の、後押し」
口の中で咀嚼するように反芻したセンラに、進藤さんは頷いた。
「ああ。折原の作品からは、それが感じられなかった。その結果が順位に現れたんだ」
「進藤、お前いいから」
何も言い返せないセンラをフォローするように、村形さんが制した。
「織田も、大賞を取るまでに10年近くかかってるんだ。いままで何度も大賞を逃してるからこそ、気づいたんだろうな」
「気づいたって、何にですか？」
「………ここに来る前に、織田に折原くんの作品を見せてきたんだ。そうしたら彼女、今までの自分の作品を見てるみたいだって言ったんだよ」
「それって、どういう………」
村形さんは少しのためらいを見せたが、すぐに決心したようにセンラに強い視線を向けた。
「大賞を取るための完璧な作品。何かに勝とうとしている隙のない作品」
思い当たることがありすぎる。
学生時代から欲していて、競争に勝つことだけを考えてきた。その気持ちに嘘はない。だが、それともうひとつ、違う気持ちもあった。
大賞を取ったら、Aに想いを伝えようと決めていたからだ。浦田との関係を知ってから、その思いは焦りになり、はやく彼女を自分ひとりのものにしたくて、必死に大賞を目指していた。
仕事は全て、そのための勉強だと考え、それを胸に秘めながらいままで過ごしていた。
けれど、そんな感情は隠しきれていなかったらしい。
作品を通して、すべてバレていたのだ。
「織田さん、すごいですね。その通りです。俺にはどうしても、負けられない相手がいるんです」
「どうせ女がらみだろ？」
自嘲気味につぶやいたセンラに、進藤さんが明るい声をあげた。
「え？」
まさか、進藤さんに自分の想い人までバレているのではないかと、ヒヤッとして思わず彼を見ると、進藤さんはにやにやと笑っていた。
「お前が女にモテるのはみんな知ってるしな。けど、特定の彼女がいないのも有名だからな。最近じゃ、ぱったりと噂も聞かなくなったし」
「…………進藤さん」
内心ほっとしつつ、呆れた風を装ってため息をついた。
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ちょこ - 更新が止まってます！戻ってきてください！続き楽しみに待ってます！(´;ω;｀) (2022年3月9日 2時) (
レス) @page36 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
りょくちゃ(プロフ) - 続編待ってました...！これからが楽しみすぎる...更新楽しみにしてます！ (2021年4月2日 16時) (レス) id: f217387575 (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - いずりすさん» お久しぶりです。おまたせしました！また頑張りますのでよろしくお願いいたします！ (2021年2月20日 23時) (レス) id: f7fd8fd8e6 (このIDを非表示/違反報告)
いずりす - わぁあ!!!続編おめでとうございますぅう…!!!待ってましたぁ…。またりひとさんの作品が更新されるのもう…嬉しすぎて泣けてきます…。無理せずりひとさんのペースで更新頑張ってください!!!これからも応援してます!! (2021年2月20日 13時) (レス) id: 70d681a1bb (このIDを非表示/違反報告)
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