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「織田の作品へのコメントを見てみろ。それで分かる」
村形さんのその言葉に、隣にいた進藤さんの表情も、硬くなったように見えた。
今回、大賞を受賞した織田さんは、進藤さんと同期の32歳の女性だ。村形さんの会社では初の女性課長らしく、とにかく仕事が出来る。結婚をして幸せを手に入れたものの、子供ができにくい体質だということが、たまたま受けた検査で判明。そのことに悩んだ彼女は、パートナーとも話し合い、つらくとも可能性のある限りは不妊治療をやると決めたらしい。
その後、織田さんは定期的に病院に通うたびに、気持ちが沈んだ。病院というのは、無機質で、なんの感情も持たない白い建物だ。
通院して、つらい治療を受けたとしても、結果が保証される訳ではない。見えない未来に対する不安定な気持ちを煽るような治療のつらさにくわえて、建物の外観や内装にうんざりする。
もっと、前向きな気持ちで治療にむかえたらいいのに。それだけで、頑張ろうと思える人が、すこしでも増えるかもしれないのに。諦める人が、減るかもしれないのに。
外観や内装が患者にとって優しいものならば、それだけで彼らにとっての励みになる。そしてそれはつまり、通院や入院への負担を減らす「最後のひと押し」になるのではないか。
「織田は、この模型のように、あたたかく患者を迎えてくれる病院があればと思ったらしい」
村形さんはそこで言葉を区切ると、思い出したように笑った。
「織田はもともと仕事に対して貪欲で、昇進の打診をしたときは、現場に出る機会が減るからと言っていちどは断ったほどなんだ。この模型をつくるときは、本当にすごかった。旦那の心配なんか無視で、丸1週間ずっと製作室に閉じこもって没頭していたよ」
そう語る村形さんの顔は嬉しそうで、誇らしげだった。自分の部下がそれだけやって賞を取ったのだから、誇らしいのは分かる。
でもどうして、わざわざ自分にそんな話をするのだろうか。センラは疑問に思った。
コンクールの講評なら、まず初めにセンラの作品について話すのではないかと思ったからだ。そんな疑問がセンラの顔に出ていたからか、なぜか村形さんではなく進藤さんがもったいぶったような声で話し始めた。
「折原はたしかに仕事はできるけど、コンクールで賞を取るための勉強として仕事をしてるだろう」
「え……」
センラはびっくりして進藤さんを見つめた。
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ちょこ - 更新が止まってます！戻ってきてください！続き楽しみに待ってます！(´;ω;｀) (2022年3月9日 2時) (
レス) @page36 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
りょくちゃ(プロフ) - 続編待ってました...！これからが楽しみすぎる...更新楽しみにしてます！ (2021年4月2日 16時) (レス) id: f217387575 (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - いずりすさん» お久しぶりです。おまたせしました！また頑張りますのでよろしくお願いいたします！ (2021年2月20日 23時) (レス) id: f7fd8fd8e6 (このIDを非表示/違反報告)
いずりす - わぁあ!!!続編おめでとうございますぅう…!!!待ってましたぁ…。またりひとさんの作品が更新されるのもう…嬉しすぎて泣けてきます…。無理せずりひとさんのペースで更新頑張ってください!!!これからも応援してます!! (2021年2月20日 13時) (レス) id: 70d681a1bb (このIDを非表示/違反報告)
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