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酔いが覚める頃には、息が切れていた。


センラはご満悦そうに寝る体勢に入っていて、どうやら私を抱き枕がわりにするつもりらしい。


すっかり眠気も覚めてしまった私は、その腕の中からするりと抜けると床に散らばった自分の衣服を拾い集めて


「シャワー浴びてくる」


と言う。するとベッドの中から腕が伸びてきた。


「あかん」


「なにがあかんの。もう酔ってないし、汗かいたからシャワー浴びたいの。寝てていいから離してよ」


「いやや。ここにおって」


これじゃあさっきとまるで逆だ。さっきまで上機嫌だったくせに、まるで駄々っ子のようだ。私はベッドから出る気配のないセンラにデコピンをした。


ようやく腕が離れたところで体を起こすと、シャツだけ羽織って部屋を出る。すると、後ろから急に重みが加わって、前によろけそうになった。


「どうしたの。寝てていいのに」


「Aが居なくなるんが悪い」


「なにそれ。一緒に入りたいの?」


「んー」


センラが私の首元に顔を埋めてぐりぐりと押し付ける。


「ねえ、重いんだけど」


「さっきまで身体全部乗っかてたんやからどうってことないやろ」


「それとこれとは別でしょ」


無視して歩きだそうとすると、彼も引きずられるようにして後ろを着いてくる。


「ねえ、自分で歩いて」


「んー?」


聞こえてないふりなのは分かっている。それから、腰周りを撫で始めた手も。


「センラはいいの?他に女の子もいるのに」


「それいま言うん?」


「だって、女の子に誘われれば基本どこにでも顔出してるじゃない」


「そうやったっけ?まあ、人数合わせみたいなもんやし」


Aがいちばんやから安心し?なんてデリカシーの欠片もない言葉を落として彼は笑った。


誰と比べているのかは知らないが、私とセンラがこういう関係でい続けられるのは、ここに理由があった。


彼も彼で、どうやら叶わぬ恋の真っ最中らしい。センラが話したがらないからきちんと聞いたことはないが、女の勘というのはよく当たるのだ。





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(プロフ) - 初コメ失礼します。りひとさんの作品がとても大好きで過去作品も全て読ませて頂いております。続編もぜひ読みたいのですが、パスワードをお教えしてもらうことは出来ますでしょうか...?何分仕様が分からず、この場で聞くこと自体間違っていたら申し訳ありません。 (2021年2月10日 1時) (レス) id: e8d9509923 (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - あすかさん» 返信遅れてすみません。コメントありがとうございます。更新頑張りますので、今後ともよろしくお願いいたします。 (2020年12月14日 21時) (レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
あすか(プロフ) - 初コメ失礼します!めちゃめちゃ面白くて見る度に評価押しちゃいます(笑)今1番を楽しみにしている作品です!更新頑張ってください(T_T) (2020年11月5日 21時) (レス) id: a6330c149b (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - いずりすさん» ありがとうございます。いつもと違うテイストに挑戦するので私自身もどきどきしています笑お楽しみいただけるよう頑張りますので、今後ともよろしくお願いいたします。いずりすさんも体調には気をつけてくださいね。 (2020年10月14日 22時) (レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - Quuさん» ありがとうございます。お楽しみいただけるよう頑張ります。Quuさんもお体に気をつけてくださいね。今後ともよろしくお願いいたします。 (2020年10月14日 22時) (レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りひと | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年8月17日 20時

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