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浦田さんが社内でちょっとした有名人だと知ったのは、それからすぐのことだった。
営業部の中でも成績優秀で、彼を悪くいう人を、私はまだ見たことがない。
彼への気持ちは、素敵な上司への憧れだと思っていた。
ほんの数分、社交辞令程度の会話を交わしただけの彼が、頭からずっと消えなかった。
「今日の打ち合わせ、昨日うまくいかなかったとこ、今日はできてたね」
といつも褒めてくれる。それから、
「じゃあ次のステップとして、ここをこういうふうに改善してみようか。そうすると、もっと良くなるから」
とうまくフォローしてくれるのだ。
私が話に詰まったり上手く説明出来ないでいると、その横から、資料も見ないで淡々と論理立てて話を進めてくれる。
真剣な面持ちで、落ち着いた声色で、誰にも口を挟ませないほどの緊張感を放つ彼から、目が離せなかった。
この人のようになりたい。この人のように、お客さんの心に触れる話をできるようになりたい。
純粋にそう思った。
「一緒にがんばろう」
そう言ってふわりと微笑まれた瞬間、私はいとも簡単に、彼に堕ちた。
こんなにもあっさり、自分でも驚くほどはっきりとそう分かった。
それから私は、少しでも早く彼に認めてもらえるように、たくさん褒めてもらえるように、仕事にのめり込んでいった。
知識もつけて、資格勉強もした。
そのおかげで、小さなコンクールで賞をもらうことも出来て、それを浦田さんに報告すれば、彼も自分の事のように喜んでくれた。
嬉しかった。
彼が私に笑いかけてくれるなら、どんなことだって頑張れる気がした。
私が設計したもので商談が決まれば、浦田さんの成績にも影響する。
それが分かってからは、さらに私は努力した。そうしているうちに、お客さんが思い描くものを形にしていける、夢を叶えるための場所を作れることに、やりがいとおもしろさを感じるようになった。
その想いを、打ち合わせの際に設計したものと一緒に伝えれば、お客さんが喜んでくれた。
これが仕事なんだ、そう思えるようになった。
打ち合わせ後に、
「まさかAさんがあんなに熱く語るなんて思ってなかった」
なんて浦田さんに笑われたこともあったけど、そのあと彼は決まって
「でも、契約とれたのはその一言があったからだし、良かったよ。さんきゅ」
と、太陽のように笑ってくれた。
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あ(プロフ) - 初コメ失礼します。りひとさんの作品がとても大好きで過去作品も全て読ませて頂いております。続編もぜひ読みたいのですが、パスワードをお教えしてもらうことは出来ますでしょうか...？何分仕様が分からず、この場で聞くこと自体間違っていたら申し訳ありません。 (2021年2月10日 1時) (
レス) id: e8d9509923 (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - あすかさん» 返信遅れてすみません。コメントありがとうございます。更新頑張りますので、今後ともよろしくお願いいたします。 (2020年12月14日 21時) (レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
あすか(プロフ) - 初コメ失礼します！めちゃめちゃ面白くて見る度に評価押しちゃいます(笑)今1番を楽しみにしている作品です！更新頑張ってください(T_T) (2020年11月5日 21時) (レス) id: a6330c149b (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - いずりすさん» ありがとうございます。いつもと違うテイストに挑戦するので私自身もどきどきしています笑お楽しみいただけるよう頑張りますので、今後ともよろしくお願いいたします。いずりすさんも体調には気をつけてくださいね。 (2020年10月14日 22時) (レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - Quuさん» ありがとうございます。お楽しみいただけるよう頑張ります。Quuさんもお体に気をつけてくださいね。今後ともよろしくお願いいたします。 (2020年10月14日 22時) (レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
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