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「チッ、バレたか」
小さく舌打ちをしたうらたに、坂田とセンラが言い寄り、志麻がそれを外野からやいのやいのと口を挟む。
「抜け駆けはんたーい！」
「Aに嫌われてるんじゃねえの？」
「うわうっざ！！」
あまりにも仲のいい光景に、Aは口を綻ばせた。彼らと生きていく。その決断に、迷いはなかった。
この選択で正解だったとつくづく思う。
たしかに、この世界は人間界と比べて暗いし、治安も悪いし、怖いものもたくさんある。でも、悪魔と呼ぶにはあまりにも似つかわしくない4人の悪魔たちは、誰よりも優しくて強い。
人間界で生きていた頃は、何となく生きていて、そして彼らと出会わなければ、そんな何となく生きる人生を続けていたのだと思う。
いまはどうだろう。
守りたいと思える人がいる。一緒に生きていきたいと思える人がいる。何となく流されていたところから、きちんと前を向けるようになったと思う。
そんな変化をくれたのも、やはり彼らだった。
実は、キス以上を拒んだのにはもうひとつ、4人には言えない理由があった。
それは、そらるから言われていたことなのだが、
「誰かのことを好きになったら、真っ先に俺に相談して。あいつらの仲、ややこしくしたくないし」
だからキス以上をしないというのはAにとっても、誰のことも好きにならないようにというある種の線引きだった。
それは、4人には伝えていない。
それでもよかった。そんなこと以上に、Aは彼らと一緒にいれることが幸せだった。4人とも恋愛的な意味でなく好きだったし、まるで兄弟ができたようにも思えた。
この幸せを壊したいとは思わない。
願わくば、ずっとこのままでいたいとすら思う。
「A、お前も黙ってないでなんとか言えって！」
うらたがAに助けを求める。志麻も、坂田も、センラも笑っていた。
だからAもとびっきりの笑顔で言うのだ。
「みなさん、大好きですよ！」
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ちょこ - とてもよかったです！その後話がもっと欲しい！ (2022年6月26日 23時) (
レス) @page23 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
伊織(プロフ) - 気づいたらこのお話に飲まれてました。とても素敵なお話をありがとうございました。他の作品も読みます！(*'▽'*) (2022年6月20日 21時) (レス) @page23 id: 020978a023 (このIDを非表示/違反報告)
ぷ(プロフ) - 読むたびに世界観に飲まれていきました。気付いたら最後まで読んでいました。素敵な世界を覗けてよかったです。ありがとうございました。 (2020年9月10日 20時) (レス) id: 5dd39aece4 (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - 水無。さん» コメントありがとうございます。お楽しみいただけたのであれば何よりです。今後とも応援のほどよろしくお願いいたします。 (2020年9月4日 23時) (レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
水無。(プロフ) - ことで話にのめり込みやすかったですし、特に坂田さんの初々しいしい恋の表現の仕方には毎回きゅんきゅんさせられました。りひとさんの作る作品が大好きです。新作も前の作品も漁ってたくさん読みたいと思います。素晴らしい作品をありがとうございました！ (2020年9月3日 21時) (レス) id: 2fdfcf242b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りひと
| 作成日時：2020年8月1日 11時
