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この3日間、Aの声を聞きたくて聞きたくて聞きたくて、それでも電話をかける機会がどうしても見つからなくて
俺がおらんと、ちょっとは寂しい？
そう聞きたいところを、口にした言葉は結局こうだった。
「ちゃんと寝れとる？」
「センラさんこそ、朝ちゃんと起きれてます？間違えて、坂田さんに抱きついちゃダメですよ」
「間違えてって？誰と間違えて抱きつくん？」
「そ………それは、知りません、けど」
自分で言っておいて、恥ずかしくなったらしく、彼女はもごもごと口ごもった。
ああ、どうして今そばにいられないんだろう。そばにいたら、力いっぱい抱きしめて、息も出来なくさせてやれるのに。
でも考えたって仕方ない。目の前にあることから、ひとつずつこなしていくしかないのだ。
「明日には、帰るから」
とセンラは囁いた。
「それと、A」
「なんですか？」
「………………」
「センラさん………？」
「あ、えーっと……なんやったっけかな」
センラは、あはは、とむなしく笑って見せた。
「また思い出したら言うわ。じゃあ、俺、そろそろ寝るから」
「ん。気をつけて帰ってきてくださいね」
「ありがとな。おやすみ」
「おやすみなさい」
やっとの思いで、スマホから耳を離した。たったこれだけしか話せてないのに、スマホのバッテリーは残り5％になっていた。
ふかふかの絨毯の上を今度はゆっくりと戻りはじめる。ロビーを満たす沈黙が、さっき以上に重く背中にのしかかってきた。
思い出したら言うわ、ちゃうやろ。と舌打ちする。
………好きやよ。
そんな一言さえうまく口に出せない自分が歯がゆくて、体を掻きむしりたくなる。
ジュースの自動販売機の前を通り過ぎながら、センラは自分で自分の頭をボカっと殴った。初恋をしたばかりの中坊じゃないんやから、しっかりしろ、センラ。
胸のうちでぶつぶつ言いながら、エレベーターの上昇ボタンを押し、扉が開いた時だった。
「うおっ」
慌てて飛び退き、立ちすくんだ相手はよく知っていた。
「うらたん……」
「あれ、センラマンじゃん。どうしたんだよ、こんなとこで」
「うらたんこそ」
「俺は飲み物買いに来たんだけど………」
そこまで言って、うらたはしたり顔でニヤリと笑った。
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まつり(プロフ) - なるほど！！！続編も短編も両方楽しめるということですね！読者的にはすごい得した気分です！掛け持ちになると思うので自分のペースでお身体壊さないようにしてください…！更新、楽しみにしてます！ (2020年4月11日 19時) (
レス) id: dc65f13ca7 (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - まつりさん» ありがとうございます。続編に入る前に、短編を書いて思い出しながらやっていこうと思っています。今後とも応援のほどよろしくお願いいたします。 (2020年4月11日 19時) (レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - いきなり更新されて驚きました！大好きな挨拶シリーズの新しいお話が読めてとっても幸せです！！！ありがとうございます！ (2020年4月10日 0時) (レス) id: dc65f13ca7 (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - 。。。さん» ありがとうございます。解除いたしました。ご迷惑おかけし申し訳ございません (2019年11月12日 17時) (レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
。。。 - オリジナルフラグはちゃんと外して下さいね。。。 (2019年11月12日 17時) (レス) id: 0cc258f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りひと
| 作成日時：2019年11月12日 16時
