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「志麻くんには相談できたん？」
Aが帰宅し、二人はのんびりコーヒーを飲みながらソファに腰かけ、小さなボリュームでかけたテレビを眺めていた。
「はい、アドバイス、もらってきました」
「どんな相談だったか、聞いてもええ？」
無理やったらええけど、と付け加えながら、センラはAに視線を向けた。その気配に、Aもセンラを見上げる。
自然と見つめ合う形になって、部屋の音はテレビだけになった。けれど、その内容なんかまるで頭に入ってこない。
センラの蜂蜜色の瞳に見つめられると、昼間の志麻の言葉を思い出し、緊張してしまう。とうとうAは耐えきれずに俯き、やっとの事でなんとか言葉を吐き出した。
「………せ、センラさんのこと、です」
「俺のこと？」
予想外の答えに、センラは驚いて目を見開いた。いったい、自分の何を相談してきたというんだろう。まさか、別れたいとか、そういうことじゃ………とセンラの胸中に嫌な予感が過ぎる。
「それで、あの……」
「うん……？」
とにかく、冷静になって一度話を聞こうと平静を装うも、センラは気が気じゃなかった。もし、本当にこの嫌な予感が当たっていたら、志麻にやけ酒に付き合ってもらうしかない。
俯いていたAがふっと目を上げた。センラと視線が交わり、その黒曜石にはうっすらと膜が張っているようにも見える。桜色の頬には朱が差し、扇情的に見えた。
震える唇で、なにかを言おうとしているが、吐息ばかりで言葉が出てこない。
「センラさ………」
「ん？」
「…………すき、」
小さく、囁かれるように告げられた言葉に、頭が追いつかなかった。いま、Aはなんて言ったんだろう。
「ごめん、なんて？」
「………好き、センラさん」
今度はハッキリと、センラの耳にも届いた。それと同時に、言葉より先に身体が動いた。彼女の身体をきつく抱きすくめる。すると、Aは
「ん………」
小さな声を漏らして、センラのパジャマの背中をぎゅうっと握りしめた。
「もう、ほんま………勘弁してや」
「…………ごめんなさい、」
「そうやなくて、」
やっぱり、迷惑だっただろうか。Aが謝ると、センラは被りを降って体を離した。おでこをこつん、とくっつけて、見つめ合う。
「俺も、好きやよ、A」
センラがふわりと微笑む。Aの好きな優しい笑い方だ。
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まつり(プロフ) - なるほど！！！続編も短編も両方楽しめるということですね！読者的にはすごい得した気分です！掛け持ちになると思うので自分のペースでお身体壊さないようにしてください…！更新、楽しみにしてます！ (2020年4月11日 19時) (
レス) id: dc65f13ca7 (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - まつりさん» ありがとうございます。続編に入る前に、短編を書いて思い出しながらやっていこうと思っています。今後とも応援のほどよろしくお願いいたします。 (2020年4月11日 19時) (レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - いきなり更新されて驚きました！大好きな挨拶シリーズの新しいお話が読めてとっても幸せです！！！ありがとうございます！ (2020年4月10日 0時) (レス) id: dc65f13ca7 (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - 。。。さん» ありがとうございます。解除いたしました。ご迷惑おかけし申し訳ございません (2019年11月12日 17時) (レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
。。。 - オリジナルフラグはちゃんと外して下さいね。。。 (2019年11月12日 17時) (レス) id: 0cc258f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りひと
| 作成日時：2019年11月12日 16時
