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暑い。むちゃくちゃ暑い。
8月の下旬の日曜日の昼下がり。
お盆休みを挟んで、また3人で出かけようと言ったのは、珍しくうらたさんだった。
「うらさん、めずらしいやん。3人で出かけようなんて」
坂田くんも同じことを思っていたらしい。
彼は、今回は遅刻せずにやってきた。
ずずっとファーストフードチェーン店のシェイクを音を立てて啜っている。
「んー、まあ、坂田には話しとこうと思って。こいつにも関係あるし」
うらたさんは私に視線を寄越すと、早速「それで、」と話を切り出した。
「俺もAに告ったから」
「はあああぁぁっ！？」
ガタンっ、と椅子をひっくり返す勢いで、坂田くんが立ち上がった。
店内は一瞬静まり返り、坂田くんに視線が集中する。
彼が、すんません、と小さく謝って椅子を戻すと、店内は何事もなかったかのように、再びざわめきを取り戻しはじめた。
「ちょ、うらさん！どういうこと！？」
「そのまんまの意味だよ。だから坂田、こいつのことはお前にやれない」
「はあ！？俺だって、うらさんにやる気なんてないし！」
2人のやり取りをぼんやりと聞きながら、なんで私なんだろうと考えていた。
坂田くんもうらたさんも、顔もスタイルも、オマケに性格だって素敵で、3拍子全て揃った超がつくほどの優良物件だ。
きっと、2人を好きだという女の子は、山ほどいるだろうし、その中には私なんかよりもずっと可愛くて、美人で、器量のいい女の子だってたくさんいるはずだ。
それなのに、どうして私なんかなんだろう。
もちろん、私も2人のことは、恋愛感情抜きに言えば、好きだ。
恋愛感情のほうは……どちらが好きかなんて、分からない。
どっちのほうが、なんて比べているうちは、恋とは呼べないのかもしれない。
でもいつかは、近いうちに、どちらかを私は選ばなければならない。
もしくは、どちらも選ばない、という選択肢をとるか。
私自身、最近いろんなことがあって、自分の気持ちがどこに向いているのかすら分からない。
でも、彼らの想いから逃げてはいけない。と思う。
こんなにも、2人は真っ直ぐに伝えてくれているのだ。
そこから目を逸らしてはいけない。
「あの、私、ちゃんと、決めますから」
ふっ、と2人の視線がこちらを見た。
「私なんかでいいのか、分からないけど、ちゃんと、向き合いますから」
私がそういうと、2人はちょっとだけ、嬉しそうに笑った気がした。
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りひと(プロフ) - みかんさん» みかん様/ コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです♪今後ともよろしくお願いいたします！ (2020年1月1日 10時) (
レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 完結おめでとうございます！りひとさんの作品大好きです。これからも応援しています、頑張ってください！ (2020年1月1日 9時) (レス) id: 6edfb9ce46 (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - しぃさん» しぃ様/コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！今後とも応援のほどよろしくお願いいたします！またコメントお待ちしておりますね♪ (2019年12月31日 20時) (レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - まつりさん» まつり様/ありがとうございます！新年には新しい作品も投稿してまいりますので、今後ともよろしくお願いします♪またコメントお待ちしておりますね！ (2019年12月31日 20時) (レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
しぃ(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても好きな作品なので2人分のルートを作ってくださり、とても嬉しかったです！他の作品の更新も楽しみにしています (2019年12月31日 19時) (レス) id: 42c92e6201 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りひと
| 作成日時：2019年12月24日 11時
