刀剣乱舞 白鶴野郎に成り代わった。

だいじゅーろーくわー ページ17

貴方side

気がつくと、本丸に戻っていた。

あの事を誰かに話したのは初めてだ。

ずっと昔の苦い思い出・・・

ーーーー 今から11年前 ーーーー

『遅いぞ！(人1)』

「はぁ。なんでこんな朝早くから、行かなきゃいけないの？」

『あの主は朝しか出ないんだ！早く！』

俺たちは、川の主を釣ろうと朝早く川に出かけた。

まあまあ深い所で網を広げた。

「こんなに深いの？怖くない？」

『バカにしたあいつらを見返してやるんだ！』

「はいはい。」

ポツリと雨が少し降り出した。

どんどん大降りになってくる。

「やばいって、これ。お母さんが危ないって言ってたよ。」

『大丈夫だって。少ししたらやむだろ。』

そんな俺の見立ては甘かった。


ザーザーザー

大雨になってしまった。

遠くで放送が流れている。

〔大雨で川が氾濫する危険があります。川の付近にいる方は急いで避難してください。繰り返します。大雨で・・・〕

目の前で川の水が増えていく。

『こ、これはやばい。逃げるぞ！』

「う、うん！」

急いで堤防を駆け上がった。

登る途中後ろから水が追いかけて来た。

ザバァッ

俺は、近くにあった松の木に捕まった。

『(人1)！いるか？！』

返事はない。

『(人1)！(人1)！』

すると、遠くで声が聞こえた。

「ここ。……たす…けて…A………。」

『(人1)！今行くっ！』

でも・・・飛び込めなかった。

そして、あいつは流された。

ーーーーーー

のうのうと生きてていいのだろうか？

でも俺はあの罪を背負って生き続ける。

あいつのためにも・・・。

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