*56 A.Side ページ26
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明日には帰れる。やっと会える。
この数日間の出張ずっと寂しさを感じてた。
それはどうして…?
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宮崎最後の日にAの声が聞きたくなってつい電話をかけた。
ごめん。こんな時間に。しかも2日連続。
でも、そんくらい嬉しくて、明日には会えるって…
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だけど、出たのは、A…
ではなくて…
何故か舘さん、だった。
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阿 『えっとぉ…舘、さん?』
宮 『うん。その舘さん』
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頭がハテナな中、必死で状況を整理する。
えっ、舘さんがAの携帯に出るってことは今二人は一緒に居るってこと…?
ならなんで、Aが出ないんだろう。
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その疑問は全部彼が晴らしてくれた。
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今朝から具合が悪くて会社のロビーで倒れてしまった。
一人じゃ放っておけなかったし、Aの家も分からないから
自分の家まで連れて来た。
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今は、すっかり顔色も良くなり、熱も下がって
ぐっすり寝ているとのこと。
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はぁ…よかった…
本当にもう心配させんなよ。もう…
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思い返してみれば確かに昨日ビデオ通話した時も顔がほんのり赤かったり
少し元気がなかったり、いくつかの予兆はあった。
けど、それにいち早く気付いたのは俺じゃなくて、口惜しくも舘さん、だった…
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阿 『今はふたりきりなんだよね…?』
宮 『えっ、うん。でも別に何もないよ。笑』
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俺だって、そう思いたい。舘さんは好意でこうしてるんだって。
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けど、同期の俺からしたら珍しいんだよ。
舘さんがわざわざこんなことをするなんて。
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ましてや同じ会社の同僚の女の子に。
バレたら多少のリスクだってある、のに…
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教えて。
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どうして…舘さん。
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作者名:くろーばー。 | 作成日時:2020年12月29日 22時