*44 ページ14
.
なんとか平然を装い、画面と向き合う。
.
阿 「こんな時間だから出ないかと思った。笑」
.
あ 「あー、うん。今ちょうど寝ようかと思ってたところ…」
阿 「あっ、そうだったんだ…なんかごめん」
あ 「全然大丈夫だよ?」
.
嘘、をついた。亮平に…
寝るだなんて。ちょっぴり見え透いた嘘を。
.
画面越しに彼の顔を見て思う。
.
こうやって亮平と話すの久しぶりだよなぁ。
いや、久しぶりってそんなの数日以来じゃん。
私、何を大袈裟なことを言ってるのか…
.
あ 「今は何してるの?」
阿 「んっ…?やっと仕事がひと段落したからAに連絡しようかなぁってね」
あ 「忙しいん、だね…」
阿 「まぁね。笑
メールなかなか返せなくてごめん…」
.
そんなの気にしなくていいよ。と言うと
優しいね、Aは…そう、貴方が笑う。
.
はぁ。亮平の笑顔、そしてこの優しい声。
とっても居心地がいい。
ずっと見ていたし、ずーっと聞いていたい。
.
少し良くない体調も何故だかよくなったように思えた。
.
あ 「あんまり無理しないで体調には気を付けてね?」
阿 「うん。ありがとう。でも、Aも…」
あ 「?」
.
阿 「…あんま無理しちゃ駄目だよ?」
あ 「えっ?」
阿 「なんだか疲れてるみたいだから」
.
力なくそう笑う亮平の笑顔は私の視界をいっぱいにする。
画面越しでも伝わって来る。亮平の…
.
思わず言いたくない言葉を言いそうになる。
はあ。こんな言葉悔しくて口にしたくないなぁ。
.
亮平に私の気持ちを汲まれるのが怖くて、数秒間黙り込むことしか出来なくなる。
.
阿 「…俺が居なくて寂しいんだ?」
.
突然。余裕な表情の彼がそう言う。
やっぱり心読まれてた。
くっやしいなぁ。亮平はいつもそうやってさ…
.
阿 「…俺に会いたくなっちゃった…?」
.
A…。
.
さっきまで優しく微笑んでいた彼が嘘かのように
妖しく、悪戯に笑っている。
そんな訳ない…そう言いたいのに心とは正直だね?
.
あ 「…そうかもしれないね」
.
私の心なんかお構いなし。
ただ一人余裕のある亮平に
そう言うことしか出来なかった。
.
1681人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:くろーばー。 | 作成日時:2020年12月29日 22時