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今日は仕事をしていても
ずっとこの後のことばっかり考えてて…
なんだか仕事に集中出来なかった。
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初めて飲み以外の場所で
亮平とゆっくり過ごすんだもん。
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『Aの時間、俺にくれない？』
昨日、貴方は私にそんなことを言った。
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そんなかっこいいこと言われたら誰だってなんかあるのかなって期待しちゃう。…そうでしょ？
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あ 「…お疲れ様ですっ！」
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時刻が17時になったと同時に職場の人へそう声をかける。
周りからもお疲れ、なんて声が聞こえて来る。
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はあ。今日は時間経つの長かったなぁ。
今すっごく心が弾んでるというか。
なんだかんだ待ち遠しかった…？
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亮平に会う前に、鏡の前で化粧の最終チェック。
目の前には、分かりやすく頬の緩んだ私が居る。
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何をそんなにワクワクしているんだろう…？
いやいや、と濃く塗ったリップを指で落とした。
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あった…見つけた…
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いつものように窓の縁を叩けば
彼が私に気付いて窓の間から顔を覗かせる。
その顔はすっごく柔らかい表情で…
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そうして車から降りて来ると助手席側のドアを開けてくれる。
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…うん。ここまでは知ってる。
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阿 「お疲れ様」
あ 「う、ん…」
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だけど、今日の彼はいつもと違うことが…
ふわっとした茶髪に、少し跳ねさせた髪の毛。
耳にかけられたそれがつい私の目を引く。
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これ、いわゆる『耳掛け』ってやつ？
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え、なんか…かっこ、いい。
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そして、亮平の私服はあまり見たことがなかった。
シンプルにモノトーンでまとめられた服装は大人っぽさを主張していて…
それにもまた息を呑んだ。
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阿 「お腹空いてる？」
あ 「う、ん。すっごく、」
阿 「よかった。予約してるところあるから行こっか」
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チラッと腕時計を横目で見るその仕草もドキッとする。
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あ 「っ、」
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なんか今日の亮平雰囲気違うなぁ…
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また調子狂わされるよ…？
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作者名：くろーばー。
| 作成日時：2020年12月29日 22時
