＊46 A.Side ページ16
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宮崎へ来て、色々とバタバタして
やっと、落ち着けたと思って身体を休められたのは
ここへ来て2日目の夜のことだった。
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サッとシャワーを浴び、自分へのご褒美とホテルで軽く一杯。
寂しいなぁ…一人酒なんて。
けどあと２日で帰宅だし。まぁ、それまでは頑張るか。
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いい感じに回ったお酒と、この2日間の疲れで
眠さなんてものはすぐに訪れる。
ベッドにダイブして、携帯のアラームをかけようとしたのも束の間。
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阿 「…あっ」
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そうだ。…やっぱり。
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昨日の朝から返信をしていなかったことをふと思い出した。…そう、Aに。
でも、もうこんな時間だし、な。彼女も明日仕事あるだろうしなぁ。
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メッセージを返すだけでもよかったんだろう。
だけど、本能のままに、自然に指は動いてた。
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Aの顔が見たい。声が聞きたい。
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阿 「出る、かなぁ…」
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一部の望みにかけて。
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予想にも反して、彼女はすぐに出てくれた。
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阿 『…あ、出た。笑』
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画面いっぱいに映り込んだのは久しぶりの…
戸惑って俺を見る、A。
いや久しぶりなんてことはないか…たった2日間会ってないだけだもんな。
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だけど、まさか、だった…
てっきりもう寝ているかと思った。
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阿 『こんな時間だから出ないかと思った。笑』
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何とも不思議な空気感が画面越しに流れる。
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俺、今上手く笑えてる…？
余裕な表情ってどうすればいいんだっけ。
色々と忘れてしまってる。
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参ったな。なんだか調子狂ってしまって、
Aにバレたりしていない…？
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今は何してるの？というAの問いに咄嗟に返す。
すると彼女は、忙しい、んだね。と俺から少し視線を逸らしながら言う。
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んで、そんな切ない表情するんだよ…
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そんな顔されたら、さ…？
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作者名：くろーばー。
| 作成日時：2020年12月29日 22時
