検索窓
今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:316 hit

【過去】 ページ2






 満月の夜だったと思う。


 "彼"と初めて会ったのは。




『ねぇ、そんな所で何してるの?』




 ニコリ、と微笑んでは縁側に座っている彼に話しかけた。


 最近、一日中縁側でボーッと空を見上げているのが印象的だった彼。



 少しでも、何か役に立ちたい。
 そんな思いで知り合ったのが、彼……"椿くん"だった。




「あ……こんにちは。あ、こんばんはか。


俺、病弱で体が弱くて。動けないの、此処から」




 そう、寂しそうに微笑む彼。


 何だか、とても可哀想に見えた。





『そうなんだ…大変だね、


あ、そうだ‼ 僕が治してあげるよ、


僕は天使なんだ、きっと僕ならできるし‼』



「天使…?」



『うん‼ ほら、見せて‼」





 良かれと思ってやった、


 彼を助けたいから、元気になって欲しいから。




 彼の答えも聞かずに手を翳せば、


 いつもの光景が見えた。




 彼から"黒い何か"がふわふわと抜けていって、


 全部 僕の中に入っていくような、そんなもの。





「すごい……、


体が、軽くなった……」




『ふふ、


これが僕の力‼ どう?


すごいでしょ‼』




「…俺……


ありがと、ありがとう……俺、外で遊べるんだ……


日の光を、浴びれるんだ……」




『えっ、え〜〜っ?!


な、泣かないで⁈


ほ、ほら治ったんだから笑おうよ‼


幸せが逃げちゃう‼』




「……嬉し涙」




続く お気に入り登録で更新チェックしよう!

最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している



←【天使】



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (1 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
設定タグ:キャラクター設定集 , キャラ配布 , オリジナル , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぽえむ | 作成日時:2023年7月25日 8時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。