始まりの物語、6 ページ7
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倒れたんだっけ、私。
目が覚めたらナオの背中の上にいました。
背負ってくれたんだ。
『ん、んん…』
「わ!A〜!良かった、起きたんだ!」
「ったく、どうせAのことだしなんとも思ってなかったけどな」
隣にはコウがいる。
保健室につれていこうとしてくれたのかな?
でもなんで初めての高校で保健室の場所が分かるんだろう。
すると、【設定】がまた出てきた。
【設定】
コウには兄がいて、この◯◯学校に来たことがある。
なのでどこになにがあるとかは詳しい。
ふむ、そうなんだ。
で、ナオが背負ってくれてるのは力が強いからかな?
さっきトオルを止めてくれたからね、力強いかなっては思ったけど。
「そう言って、一番コウが心配してたくせに。僕がAが不治の病が…!?とか騒いでたら、一番動揺してたじゃん。」
「はぁ!?気のせいだ気のせい!」
ふーん、コウ可愛いところあるのね。
【設定】は消えた。きっと私が読み終わった後、他のキャラクターが喋ったら消えるプログラムになってるのだろう。
というか、ずっと背負われてるのなんか恥ずかしい。
『はいはい、コウありがとね!ナオもありがと、下ろしてくれる?』
「うん!」
「別に大したことじゃねぇし!」
ナオはニコニコしながら下ろしてくれた。
この子、褒められるのが好きなのかな?
性格デレデレなだけあるね。よく分からないけど。子犬系男子ってやつかな?
コウは顔真っ赤にしてる。この子は感謝されても素直になれないのか。不便な性格だな。
でも、キリと近づける機会を潰したのはダメージがでかいな。
キリなんてトオル繋がりじゃないと関われないもの。
積極的になるしかないのかぁ。
そうやって色々思考を回していたら、コウの言葉で現実に戻った。
「あれ、そういや入学式が…。」
「『あ』」
急いでダッシュして入学式会場に行きました。
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作者名:ふくふくもち | 作成日時:2022年3月30日 0時