【ジョジョの奇妙な冒険】一部・二部永遠を共に (ページ17)

今日:2 hit、昨日:14 hit、合計:13,682 hit

58話ページ17

ばさっとバスローブを脱ぎ捨て、とっておきの晴れ着に腕を通す

｢…今日は記念日よ。

長年積もったジョースターへの恨みを晴らし、私とディオと……いつか生まれる赤子の永遠を約束する日｣

大きな窓に写る自分の姿を、目を逸らさずに見つめた。

…首筋や鎖骨に浮かぶ赤い華は、紛れもない

ジョースターの血。

｢…………。｣

…心の奥底に、煩わしく残るものがある

ディオの策略に加担し、石仮面を被って、何度も何度も焼き尽くそうとした

この、良心を。

今、やっていることと真逆の勇気を。

恨みを糧に、ディオへの限りない愛を頼りに、何度も何度も…

……何故？

他の亡者はそんなもの欠片も残さないのに。

それがジョースターの血統のせいだというのなら

…私は、本当はディオのそばにいるべきじゃ…

｢…A｣

抱きしめられ、耳元で名を囁かれる

｢ディオ…

随分早いおかえりだけど、あのお嬢さんとは楽しめたの？｣

先の考えを一旦心の奥にしまい込む。

そして半ば彼をとがめるように見上げたが、

それもゆったり微笑んで余裕で受け止められてしまう

｢なんだ、嫉妬か？｣
｢…そうかもしれないわね｣

ディオは一瞬目を見開き、心底嬉しそうに小さく笑い声を漏らした。

｢何事にも動じず、完璧なお前が露骨に負の感情を出すなんて珍しい｣
｢……｣

｢…月夜を前に思い悩む姿には思わず息を呑まされたが

このディオの腕の中で何を悩むことがある？｣
｢！！｣

せっかく鍵をかけた悩みも、この人の前じゃなんの意味もなさない

…これだから、こんな私でもディオのそばにいたいと願ってしまうのよ。

｢…そうね、何も無いわ。

だからディオ、私を抱きとめておいて

………、あなたのそばだけが、私になれる場所よ。｣

…あなたのそばならば、私もわけなく完璧な悪に染まることが出来る。

私を抱きしめる力が強まった

｢言っただろう

…離すことなど不可能だ。

…………さあ、今その唇を頂こうか

しばらく、楽しめないだろうからな。｣

そう口付けを交わし、目にも体にも熱が宿ったところで

…私達は、猛々しく扉を開けた〝幼なじみ〟を、迎えたのだった。

｢地獄から戻ってきたぞ！！｣