55話（ここから台本読みを改めます！勝手を許してください！） ページ14
ーーー自室
｢…さて、名前を決めなきゃね。｣
ベッドの上に、猫を抱えて座る
白猫はそのクリッとした紅眼をこちらに向け、不思議そうな顔をしていた
｢…直感よ。あなたの役割と、運命…
名は体を表すと言うわ
決めた。
あなたの名前は…
メモア・ソレイユ
…記憶と…太陽。｣
猫は鳴く
裂かれた身体に注がれる主の血。
…紅い目は、
……より一層輝き、主人の元を離れない
｢…行くわよ、メア。あなたの運命も動き出した。逃れることは許さないわ｣
ーーーーーーーーーーー
ガチャッ
ベッドで丸くなるメアを撫でながら目だけ向ける
｢…ディオ？｣
ぼふっ
無言のまま隣に座る彼
｢…｣
…何かおかしいわね
ギュッ
無表情からは分からない感情が、握りしめられる手から感じる
｢…A…あいつは、来るだろうか
ここへ。｣
｢…｣
……あのままでは駄目だけど。
そこまで言って私は彼の手を軽く握る
｢私達は、奴の爆発力を知っている。そうでしょ｣
ピクッとしてディオは私を見た。
｢…あ あ、そうだな……
…なあ
っA……｣
バッ
ドサッ
｢えっ…ふあ？！！｣
｢ﾆｬｯ｣
メアは飛びはねどこかへ走った
その原因は、急に覆いかぶさってきたディオにあるのだが…っ
｢ちょ、ちょっと…っディオ？
今油断できない状況だって…っんむっ｣
塞がれる唇に脳内は甘く染まっていってしまう
｢……何故だかわからない。分からないが
今
お前が欲しい…っ！！｣
ギラつく目。
跡が残るほど掴まれる腕
痛くないのがなぜだか虚しい
｢…ディオ。｣
囁く。
見つめる。
｢ねえ、
愛してる｣
｢…っ｣
緩まる手には優しさがこもった。
｢…今、お前を愛しておかねばいけない気がするのだ…
俺の胸のうちにある欲望が…全力で喚いている。
お前の初めてを、どうか今
俺に捧げてくれないか…｣
｢元より
私は、身も心も、あなたに捧げているのよ…
どうか、私を…完全にあなたのものにして｣
ーー決して長くないその時間
二人の極めて清らかで、聖なる時間
うごめく運命の前に、ディオの身体に触れる
愛し合う二人の邪魔は、誰ひとりとしていなかったーー
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作者名：ひはる x他1人 | 作成日時：2016年4月9日 0時
