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「脱ぎまショウか?」



『やめてください。』



一戦だけして帰ることにした。痛すぎる視線に耐えられなくなった、というのが正直な所である。



「あ、主様。あの、指示、ありがとうございました。」



私を見上げて、彼はフワリと笑った。花が咲いたようなその笑顔、という比喩はあながち間違いではなく、チラチラと周りに桜がまっている。



ここ最近決して触れられることのないこの桜を何度か見てきたが、今まで見たどの桜とも違うそれは、一番美しいと断言できた。



『いえ。怪我がなくて、なによりです。』



桜に見とれていた。歩き方が悪いのか、下駄になれていないのか(きっと後者である)、情けなくも躓いた。



この動きづらい着物で転ぶのは最悪だ、そう思ったが、どうやら私は地面と対面する必要なないようだった。



「気を付けろ。」



『ありがとう、ございます。』



咄嗟に支えてくれたのは大倶利伽羅様で、片手で軽々とよく支えられるものだと感心しながら礼をいう。「馴れ合うつもりはない。」といつものように口にする彼。



「大倶利伽羅も主も、ツンデレ、という奴だね。」



「おお!歌仙もそう思うか!伽羅坊はこういうところだし、主はさっきの笑顔、とかな!」



「ねー。もっとさ、あんな風に笑いかけてくれればいいのに。そう思わない?五虎退。」



「は、はい!主様があんな風に笑いかけてくれたら、幸せ、です。」



「ふむ、それは一理ありマス。」



「そう主を困らせるな。」



バッ、と打ち合わせでもしたのかと言いたいくらいに同じタイミングで振り向く彼ら。キラキラと輝く瞳は大層美しいが、ツンデレだなんだと随分言ってくれる。



それに、勝利は誰だって嬉しいではないか、と言い訳のように心の中で呟いた。



『…神様方が望むなら、いつでも。』



営業100パーセント、である。



「作り笑いでも様になるからなぁ、困った。」



加州様の言葉に同意するように頷く皆。なんの事だ、とスタスタ前を歩けば首根っこを捕まれた。



「こらこら先にいかないでくれ。僕は君を長谷部君に頼まれているんだ。」



あれほど付き添いはいいと言ったのに、そういうことかと理解する。へし切長谷部様、というのはどの本丸でも忠誠心が高いと聞いたから、この本丸の彼も例外ではないのだろう。



従う人は選んだ方がいい。



大人しく歌仙様にしたがって、何事もなく演練場を出ることに成功した。

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える(プロフ) - 里菜さん» コメントありがとうございます(*^^*)読みやすいような文章を書けているのだとその言葉で安心いたしました。ご期待にそえるよう、これからも頑張らせていただきます(*^^*) (2018年8月26日 9時) (レス) id: ace072b99e (このIDを非表示/違反報告)
里菜(プロフ) - すごく、文章の構成がお上手なのでとても読みやすくてわくわくします!これからも頑張って下さい! (2018年8月26日 0時) (レス) id: 316072219b (このIDを非表示/違反報告)
える(プロフ) - ねこさん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます(*^^*)刀剣乱舞は初めて書かせていただいたのでそういう言葉は嬉しい限りです。ご期待にこたえられるよう、頑張らせていただきます。お気遣いまでありがとうございました(*^^*) (2018年8月24日 15時) (レス) id: ace072b99e (このIDを非表示/違反報告)
ねこ(プロフ) - とても面白いです。こんな面白い話の刀剣乱舞の夢小説はなかなか無いのですぐにお気に入り登録してしまいました。更新無理しない程度に頑張ってください。 (2018年8月24日 15時) (レス) id: 8d47e5281f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:える | 作成日時:2018年8月20日 18時

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