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「機嫌がなおったようで何よりだ。驚いた、まさか歌仙にたらしこまれるとは。」
『誤解を生むような言い方はやめていただきたい、鶴丸様。』
お風呂に向かっていた。この広い本丸ではお風呂までの道のりですら遠い。
「すまん。まさか今日中にもう一度会えるとは思わなくてだな。さっきは遊びすぎた、許してくれないか？」
今度はきちんと反省の色が浮かんでいた。燭台切様にでも叱られたのだろう、彼は面倒見がいいから。
『あれは貴方の優しさだと理解しているつもりです。私は環境が環境だった故、少し素直じゃないというか、そうすることで自己防衛をしてきました。だから私は、貴方達の優しさを素直に受けとることは出来ない。』
＿＿きっとそれは、これからも
『実際は嬉しいですよ、気にかけてくれるのは。けれど私は、距離が近くなればなるほど、苦しくなることがあるということを知っています。私は臆病で、まだ、子供です。貴方の言うとおり。』
優しさを恐れている。誰だって初めは優しいのだ。可哀想だね、もう大丈夫。その言葉が同情だとしても嬉しかった頃の自分はもういない。
社交辞令のように吐かれるその言葉に嫌悪感しか抱かなくなった頃には、傷も本心も隠すようになった。
親しくなった友人にだって、本心を見せたことはない。まあその友人とはすでに死別しているのだけれど。
「誰だってそうさ。それは君だけじゃない。大切なものが増えれば増えるほ弱くなる。弱点が増える。不憫だなぁ、人の身というのは。」
私よりきっと、長く生きてきた彼の方がその痛みを知っている。
『私も鬼になるなら、感情も削げ落ちてしまえばよかったのにすら思いますよ。』
「おいおい、それはブラックジョークの枠を越えているぞ。」
苦笑をもらす。そんな様子でさえも彼は美しかった。
『ブラックジョーク、なんて言葉ご存じなんですね。』
「長い間主をたんたんしてきたんだ。横文字の一つや二つ覚えるさ。」
神様、というのを再度認識させるような言葉だった。彼らは神のはしくれ。だとしても神格は人間より圧倒的に高く、博識だ。
そういえば、鬼の身になってしまったが私は不死身なのだろうか。ふとわいた疑問を悟られぬように、私は彼に頭を下げて風呂場に向かった。
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える(プロフ) - 里菜さん» コメントありがとうございます(*^^*)読みやすいような文章を書けているのだとその言葉で安心いたしました。ご期待にそえるよう、これからも頑張らせていただきます(*^^*) (2018年8月26日 9時) (
レス) id: ace072b99e (このIDを非表示/違反報告)
里菜(プロフ) - すごく、文章の構成がお上手なのでとても読みやすくてわくわくします！これからも頑張って下さい！ (2018年8月26日 0時) (レス) id: 316072219b (このIDを非表示/違反報告)
える(プロフ) - ねこさん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます(*^^*)刀剣乱舞は初めて書かせていただいたのでそういう言葉は嬉しい限りです。ご期待にこたえられるよう、頑張らせていただきます。お気遣いまでありがとうございました(*^^*) (2018年8月24日 15時) (レス) id: ace072b99e (このIDを非表示/違反報告)
ねこ(プロフ) - とても面白いです。こんな面白い話の刀剣乱舞の夢小説はなかなか無いのですぐにお気に入り登録してしまいました。更新無理しない程度に頑張ってください。 (2018年8月24日 15時) (レス) id: 8d47e5281f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：える | 作成日時：2018年8月20日 18時
