泣くな笑え復讐鬼【刀剣乱舞】

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＿＿人の子よ。恵まれぬ人の子よ



苦しさの中でそう声が聞こえた。私を嘲笑うような声。



＿＿可哀想になぁ。何から何まで恵まれぬ。



そんなの自覚済みである。アホらしい、そう挑発気味に口元を歪めれば、愉快だと言わんばかりの笑い声が聞こえた。



＿＿そうかそうか。この状況でもそんな顔が出来るのか



死ぬ間際まで可愛くない、そう言いたいのだろうか。全く否定はしないが、誰かもわからぬ存在にそう思われるのは解せない。



＿＿人の子。どうだ、堕ちてみないか？



堕ちる？それは地獄にだろうか。笑えないな、と思いつつ、まあそうなって当たり前かと苦笑する。こんな人間、天国なはずないか、と。



＿＿間違いではないな。地獄に堕ちるも変わらん



堕ちる、堕ちるか。いいですよ、と心の中で返事をする。声はでない。生憎絞め付けられているもんだから。



＿＿自棄をおこしたな？よいよい！



下品な笑い声が耳に響いた。耳を塞ぎたい衝動にかられるが、指の先一本まで動かすことは出来ない。



＿＿鬼にみいられるとは、運がないのぉ、人の子



『死ぬのに運があるもないも関係ないのでは？』



目に写る美しい美形に、手にしているものを振りかざしていた。



それが何かなんて分からない。



＿＿見事に堕ちたな



ただ分かったのは、私は地獄に堕ちるどころか、まだ死んでいないということである。

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