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Aside







1週間が経っても、いまだに俺は立ち直れないでいる。

あの後監督に呼び出されて、今回は俺をベンチには入れることは出来ないとはっきり言われた。


分かってはいたことだけど、実際にそう言われるとかなりショックだ。




監督には、腐るなよ、と言われたけど正直今のモチベーションでみんなが試合してる所を見るのはキツい。しかも、応援席からなんて…。





「…今日、部活行きたくないな。」




行ったとしても怪我用のトレーニングと、あとは見てることしか出来ないし。

松葉杖で歩くのに時間がかかるから、と言って、最近は賢二郎と太一には先に行ってもらっている。でも帰る時は俺の分の荷物を持ってくれて、必ず一緒に帰ってくれる。


……なんか、迷惑かけてばっかりで申し訳ない。





「おっすーA!まだ部活行かねえの?」

「…あ、梅田。」



ダラダラ廊下を歩いていると、後ろから梅田が声をかけてきた。さりげなく俺のカバンを持ってくれている。


「いいって、先行けよ。」

「むりむり。会っちゃったんだし!はは!」



屈託なく笑う梅田に少しだけ心が軽くなったけど、やっぱり憂鬱な気分は晴れなかった。



「……A?どうした?」

「……いや。」

「最近本当に元気ないよなぁ。…まあ、ある方がおかしいか。」




自分でもダメだって分かってるんだけどどうにも出来ないんだ。俺がこんなんだと試合に出る選手のモチベーションも下げちゃうのに。



「………試合出たい。」


「……んー。分かるよ。………でもまぁ、俺から言わせてみれば……。」


「?」


「1回ベンチ外されたくらいでへこみすぎ!!」


「え。」




驚いて顔をあげると、梅田は少し怒ったような顔をしていた。





「俺なんて高校で公式戦出たこと1回もないけど?」

「……あ、…ごめ、」



ハッとした。そうだ、俺何愚痴ってんだ。
俺以外にも試合に出れないやつは山ほどいるのに。




「いや謝って欲しいんじゃなくてさ。お前がここで止まってんのはもったいないんだよ。へこんでる暇があんならさっさと治して戻って来いよ。」


「…まあ、そうなんだけどさぁ。」

「…全員が全員、お前の怪我を哀れんでるわけじゃないからな?」

「…どういうこと?」

「…言い方悪いけど、お前の怪我をチャンスだと思うやつもいるだろ、同じポジションの奴とか。そいつらに負けてもいいの?」

「…!」

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華火(プロフ) - あめめさん» ごめんなさい!外しました! (2020年4月14日 1時) (レス) id: 547328387d (このIDを非表示/違反報告)
華火(プロフ) - 。さん» ごめんなさい!外しました! (2020年4月14日 1時) (レス) id: 547328387d (このIDを非表示/違反報告)
あめめ - とても良い作品ですね!ですが、オリジナルフラグが外れていないです!とても素敵な作品なので、フラグを外して創作活動を楽しみましょう! (2020年4月3日 16時) (レス) id: c283a9fbdc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:華火 | 作成日時:2020年4月2日 23時

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