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パァンッ!
「ナイスレシーブ」
牛島さんのスパイクを綺麗に拾った稲荷崎のリベロ。…あの威力のボールをよくあそこまで殺せるよな。うめえ。
レフトからは尾白アランが来ている。
注目の宮侑。後衛からセットアップポジションへの移動がエグいほど早い。
さぁ、誰を使う?
やっぱりここはレフト…
!?
「太一ステイッ!!!」
「っ!」
スパァァンッ!!
宮侑が使ったのはレフトの尾白さんではなく、シュッとした顔の体幹オバケ野郎(天童さん命名)。
くっそセンター線か…。
太一もレフトに釣られかけながらも咄嗟になんとか食らいついたが、やはりタイミングが遅れた。
……個々のレベルが高いのは言うまでもないけど、その中で最も厄介なのが、宮侑の読ませないセットアップ。もはや芸術だな。
今の稲荷崎の得点で5-6。
体幹オバケがサーブで下がったかと思えば、今度はチーム1の長身ブロッカーが前衛。この1点差が中々埋まらない。
今日は牛島さんもしんどいな。
賢二郎も上手くレフトからの攻撃を織り交ぜているけど、むやみにセンター使っていくのはリスクが高いから使いあぐねている。どうしても牛島さんにボールが集まってしまう。
笛と同時に打たれたサーブ。
はんっ。そんなんで山形さんが揺さぶられるわけないだろ。
ボッッ
「ナイスレシーブ!!」
賢二郎の真上に綺麗に上がったボール。ここはレフトへのトス。
「行け!!!」
ズドォォォン!!!
大平さんのスパイクが決まり、これで6-6。
レフト陣も調子が良いようだ。
「A、行け。」
「うぇ!?は、はい!!」
監督に言われて慌てて返事をすると、瀬見さんが「頑張れよ!」と背中を叩いてくれた。
ここで!?俺!?
コート隅まで行って山形さんと目が合うと、交代だと察してハイタッチしてくれた。
「打ち下ろしてくるのと奥狙い、上手く使い分けてくるぞ。」
「はい!!」
やばい、全然分かんない。なんでここで俺起用?
コートにいるみんなの顔を見ても特に変わった様子はない。あれ、分かってないの俺だけ?
いかんいかん、とにかく、今は集中だ。
フッ、と短く息を吐き、稲荷崎のスパイカーを確認する。
片割れ、長身、エースが前衛。バックからの攻撃は裏エース1枚だけ。
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華火(プロフ) - こころさん» わーいありがとうございます!頑張ります〜 (2019年9月18日 23時) (レス) id: 80f48dce8e (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - 続き楽しみにしてます!!頑張ってください (2019年9月17日 17時) (レス) id: 398e0a716f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華火 | 作成日時:2019年7月31日 0時